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2025年1月の気になった論文(暫定版)

 2025年になった。激動の1年が始まる。。。 ※Amazonアフィにアクセスしてやってください🙇‍♀🙇‍♀🙇‍♀🙇‍♀🙇‍♀🙇‍♀ Kindle本 セール&キャンペーン https://amzn.to/3DJB5NT ‐2025/1/3,6‐‐‐‐ Intrinsic (Axion) Statistical Topological Insulator https://arxiv.org/abs/2501.00572 平均的に対称性を尊重する集団は、正確な対称性を持つ純粋状態の集団よりも豊かな位相状態を示し、平均対称性保護位相状態 (ASPT) の概念につながります。ASPT の自由フェルミオン対応物は、無秩序集団におけるいわゆる統計的位相絶縁体 (STI) です。 本研究では、バンド絶縁体対応を持たない、半量子化された磁気電気分極 P3 = θ / (2π) によって特徴付けられる固有の STI の存在を実証します。 Observation of nonreciprocal transverse localization of light https://arxiv.org/abs/2501.00347 ここでは、原子蒸気中に誘起されるモアレ光子格子における光の非相反横方向局在を実験的に実証します。 Development of a linac-based LEPD experimental station for surface structure analysis and coordination with synchrotron radiation ARPES https://arxiv.org/abs/2501.00188 線形加速器ベースの低速陽電子ビームを使用した表面構造分析のための低エネルギー陽電子回折 (LEPD) 実験ステーションの開発について報告します。 Pyramidal charged domain walls in ferroelectric BiFeO3 https://arxiv.org/abs/2501.01190 ドメイン構造は、強誘電体材料の電気的、機械的、およびその他の特性において重要な役割を果たします。本研究では、典型的なマルチフェロイック材料 BiFeO3 の謎めいたジグザグドメイン構造の物理...

ワイが面白いと思った論文はこれだ!~2024年まとめ~

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 【イントロ】 1年早すぎる。 これが相対性理論てやつですね。 巷ではAIの進化が猛威をふるった1年でした。 今年も2024年にCond-matに報告された論文の中で興味深かった論文をまとめてみました。 毎年面白い論文が多すぎる! 【方法】 1年間のブログ記事を見返して、面白かった論文を選抜しました。 基準は霊感です。 AI、かかってこいよ!!! 【本文の前に】 2024年1月から12月の間に、Cond-matには約2.2万本の論文が投稿されたようです(ぶひん調べ) その中から、本ブログにメモした論文は3077本。 約14%の論文が琴線に触れたみたいです。 こいつちょろすぎるな。。。 メモしただけでアブストしかほとんど読んでないですが、まあ毎日ワンピースやコナンの続きがWebで無料アップされてたらチェックしちゃいますよね。。。 【気になった論文たち】 1,一番刺激的だった論文 誘電率とエネルギーギャップの普遍的関係 Universal relation between energy gap and dielectric constant https://arxiv.org/abs/2401.04180 ”量子重み”の提案 Quantum weight https://arxiv.org/abs/2401.13847 構造因子に対する量子幾何による制限 Geometric bound on structure factor https://arxiv.org/abs/2412.02656 昨年の論文の中で個人的に一番興味深かったのは、MITのOnishi&Fuによる一連の研究、特に絶縁体のエネルギーギャップと誘電率の関係を明らかにした研究と、基底状態の量子ゆらぎの大きさの指標となる”Quantum Weight"の概念を提案、そして量子幾何が構造因子を制約することを指摘した3論文です。Onishi&Fuは昨年から、 トポロジカル絶縁体のギャップサイズがチャーン数の大きさによってキャップされる関係を発見 するなど、エネルギーギャップと各種物理量の関係性を明らかにしており、興味深い方向性を切り開いています。 理論で提案されている物理量が光学測定で求まる値なのも良いですね。 物理量の上下限を定める関係性は実用上も重要となると考えられ、今...

愛ある聖しこの夜~AIとの協働によるKK変換の実装~

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  【イントロ】 今年もクリスマスがやってきました。 K otoshi・・・ K urisumasu・・・ 聖しこの夜ですね。 K iyoshi・・・ K onoyoru・・・ ということで、今回の記事では KK変換(Kramers–Kronig変換) について、Chat系AIを使って実装に取り組んでみた内容をまとめてみます。 *本記事は あらBさん主催のアドベントカレンダー2024 の投稿記事です。 【KK変換とはなにか】  WikiによるとKK変換とは、 「線形応答における周波数応答関数の実部と虚部がヒルベルト変換で関係づけられていることを示した式」 ということになります。  具体的には、複素関数 H(ω)=H_R(ω)+iH_I(ω)を考えます。複素数ωの複素平面の上半面で解析的で、下半面にのみ極をもつとき、極を避けた半円状の積分路を選択すると      ∮H(ω')/(ω'-ω)dω'=0 が成り立ちます。  ここで、ω→∞でHが漸近的に0になるとすると、積分路の大円の半径を大きくとることで、 ‐iπH(ω)+P∫H(ω)/(ω'-ω)dω'=0 が導かれます。ただし、ここでPは主値積分を表します。  このとき、Hの実部と虚部は独立ではなくなり、以下のような関係式を満たします。 Wikiより  この関係式をKramers–Kronigの関係式とよび、この関係式を用いて実部と虚部を変換する処理をKK変換と呼びます。  更にここで、インパルス応答が常に実数であることを考慮すると、Hの実部は偶関数、虚部は奇関数であると制限が加わります。この制限に基づき、積分範囲を0から正の無限大に置き換えると、以下式が得られます。 Wikiより  この関係式を用いることで、周波数応答関数の実部または虚部から、もう一方の値を取得することが可能になります。この結果は、刺激よりも前に結果は生じないという因果律を反映するものとなっています。 *ここの式の導出をちゃんとフォローできてないので、参考文献あればコメント下さい><  この解析手法により、赤外分光法による反射率測定から光学伝導度を求めたり、中性子散乱測定により動的帯磁率の実部と虚部を求めたりすることが可能となります。 今回の記事では、特に反射率から光学伝導度を求める方法について着目...