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独断と偏見で選ぶ、2018年の物性系論文Top10

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【イントロ】 今年も1年が過ぎました。 あっという間でした。 ほんとうに、あっという間。。。 そんな今年も、いろんな論文がありました。 すごい論文からヤバイ論文まで盛りだくさん。 巷では、 Nature 、 Science 、 Physical Review 、 Physics.org といった雑誌や 固体量子さん が年間で話題になった研究を特集しています。 今年は趣味として毎月気になった物性系の論文をまとめる記事を作成しました。 振り返ってみると、全部で1637本の論文・記事を当ブログに掲載しました。 暇ですね。。。 そこで、その中から独断と偏見で選ぶ今年の論文TOP10を選んでみました。 記事中の図は、該当する論文のArxiv版からの引用です。 それでは、いってみましょう(^o^)/ 【今年の気になった論文ランキング】 第10位 「 ICSDに登録された26938個の物質をトポロジカルに分類する。 」という物質の分類に関する論文です。1736ページ(pdfにして111MB)、3725の図表からなる論文で2861個のトポロジカル絶縁体と2936個のトポロジカル半金属を発見したすごい研究です。自然界の24%の物質がトポロジカル物性らしいとのことで、犬も歩けばトポロジカル物質に当たりそうです。ワンワン。今年は磁気空間群や多極子などトポロジカル分類理論( 1 、 2 、 3 など)がたくさんでました。とはいえ、カタログを作ってしまうと反例が一つ見つかった場合に全部怪しくなりそうですが、大丈夫なのかな? 図1、トポロジカル物質のリスト。これが1000ページ位続く。。。 第9位 今年はAIブームで、それに合わせたように物質科学x機械学習・ディープラーニングの論文がたくさん出てきました。たとえば「 機械学習で超伝導転移温度を予測する 」といった論文とかすごいですね。流行りに乗っかってスキルを身に着けて、業績をつみあげるのも大切です。本当は流行を生み出したいですが。とはいえ、なにか新しい物理はでてくるんでしょうか(素人並? 図2、最先端技術を用いた回帰分析による超伝導転移温度の予測 第8位 「 Bi2212上の単層CuO2は超オーバードープ状態? 」ということを提案した論文がでてて面白かったです。STM実験...

学振採用者はどこへ消えた?

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【イントロ】 気づけばもう12月。 一年経つのは早いですね。 この一年いろいろあったなぁ、、、 と、思い返してみますが、何も残っていない気もします。 残らないほうがいいこともある、と思えば少しは前向きになれるかな? いっそ、全部忘れて来年に期待を託していきたいところです。  そんな終わりを迎えた一年ですが、新たに始まるものもあります。  そう、就活です。  2020年の新卒採用に向けて、はやくも各所で 企業説明会 が始まっています。 人間、「働きたくない、働きたくない」と口にはしても、体は正直なので、 その足はセミナー会場に向かい、ホイホイESを書き、面接を受けて、内定通知に心踊らせる・・・そうした一連のハートフルストーリーが始まる12月です。  一方で、わかりやすい新卒採用スキームに対して、 よくわからない立場 に置かれているのが博士課程の学生です。未だ卒業していないため新卒とも言えるし、年齢的には27歳を越え中途採用扱いもありえます。  また、ポテンシャル採用が中心の学卒、院卒と比べて、専門分野がはっきりしているために採用してくれる企業、職種が限定される傾向にあります。専門分野と募集職種がぴったり合えば、即戦力として簡単に採用される一方で、専門分野の不一致が大きいと、「超電導?いらないなぁ笑スピントロニクスならよかったけどね笑」と門前払いを受けることも多くなります。ウケル。 そんな博士たちは、卒業後どこへ向かうのでしょう? 特に、国から選ばれた 学術振興会特別研究員 として、同世代が4~600万円以上の年収を稼ぐ中、年240万円もの大金を在学中から支援されていた学術エリートとも言える人々はどこへ消えていったのでしょう? 今回は、彼らの足取りを追ってみました。。。 【方法】  Loveのこもった手作業です。調査対象は「数物系科学」のうち、物性物理関係の採用者としました。趣味です。  自分と同世代の学振採用者名簿に記載されているDC1、DC2採用者一人ひとりの所属研究室HPやSNSをチェックしその後の進路を確認しました。ネトストじゃないよ。  また、アカデミック/非アカデミックの就職に業績が関係あるか確認するため、卒業後1年経過した2017年までの業績をチェックしました。Proceedingsは含んでいません。 【...

12月の気になった物理系記事(完全版)

12月の気になった物理系記事です。 もう12月やぞ。 人生に進捗はあったか? この一年でなにか成長できたか? ε-(´・_・`)ハァ… トポロジカル・グラフェン・TMD グラフェンに無偏向光を当てるとフロケトポロジカル転移する https://journals.aps.org/prb/abstract/10.1103/PhysRevB.98.235112 二次元領域に縮退したワイル円盤とワイルエキシトンの可能性 https://journals.aps.org/prb/abstract/10.1103/PhysRevB.98.241105 CaAs2シリーズにおけるトポロジカル結晶絶縁体の可能性 https://journals.aps.org/prb/abstract/10.1103/PhysRevB.98.241104 相互作用するボソン/フェルミオン系における高次対称性保護トポロジカル状態 https://journals.aps.org/prb/abstract/10.1103/PhysRevB.98.235102 RuO2のディラックノーダル線と表面フラットバンドのARPES観測 https://journals.aps.org/prb/abstract/10.1103/PhysRevB.98.241101 トポロジカル四重極半金属 https://journals.aps.org/prb/abstract/10.1103/PhysRevB.98.241103 強相関ワイル半金属における半金属相の安定性と自由フェルミオンの創発 https://journals.aps.org/prb/abstract/10.1103/PhysRevB.98.241102 超極薄黒リン電界効果トランジスタの温度依存輸送特性 https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.nanolett.8b04308 薄膜黒リンの角度分解偏光ラマン分光でみる異方的電子格子相互作用 https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsnano.8b06940 巨大スピン軌道結合の帰結としての原子層金属膜の弱反局在効果の発見 https://pubs.acs.org/do...