ツイッターでのバズり方は普遍的なのか?

【イントロ】
 Twitter(ツイッター)[1]は、「「ツイート」と呼ばれる280文字(韓国語、中国語、日本語は140文字)以内のメッセージや画像、動画、URLを投稿できる」Webサービスです[2]。日常の些細な出来事から、重大な案件のプレスリリースまで幅広く、毎日たくさんの”つぶやき”(ツイート)が現れては消えていきます。色んな意見がみれたり、いろいろな人とつながれたり、適当なことをつぶやいて偉い先生から怒られが発生[3]したり、色々なことを経験できるおもしろいサービスです。
 個々のツイートは”いいね”(いいねとはいっていない)で個人的に記録したり、”リツイート”で他のユーザーに拡散したりすることができます。この”リツイート”でツイートが次々と拡散され爆発的に多くの人に取り上げられることを”バズる”といいます。どんなツイートがバズるかは呟くまでわからないものです。「これはリツイートされるやろ~」とおもった渾身のつぶやきが無反応な一方で、「スマイルプリキュア」と呟くだけで10万RT[4]されることもあり、人生わからないものです。にゃーん。
 さて、いろいろなバズったツイートをみていてふと思い浮かんだ疑問は、「バズり方に普遍性はあるのか」というものです。気になったからには調べないと。。。
 本記事では、バズった2つの異なるツイートのリツイート数の時間変化を調べ、そこに共通の構造が存在するか明らかにすることを目的としました。


【実験方法】
 「バズった2つの異なるツイートのリツイート数の時間変化を調べる」というのは、どのツイートがバズるかわからない以上、自分のツイートにしろ他人のツイートにしろ狙って実施することは困難です。そこで、本研究では「バズるまでとにかく待つ」という手法を選択しました。あまりフォロワー数が多くなくても極たまにバズることがあるため、その機会を活かすことにしました。次にバズり始めるとツイッターからの通知が増え始めます。その通知が来る度にその時点でのリツイート数(RT数)を呟くことで、現在時刻とリツイート数の記録を取りました。バズが一段落したあと、その記録を集計することでリツイートの時間依存性のグラフを作成しました。
一体オレは何をしているんだ。。。

【結果】
 今回、記録をとったツイートは以下の2つのツイートです。ともに面白いと思った記事に一言感想をつけて呟いたツイートで、たまたま休日に重なったため記録を取ることができました。Fig.1の「CEO頭おかしい」[5]は998RT、Fig. 2の「有機EL」[6]は2294RTを記録しました。本記事では、このRT数が3倍程度異なる2つのツイートを比較しました。

Fig.1 「CEO頭おかしい」

Fig.2 「有機EL」

 この2つのツイートのRT数の時間依存性を記録したのがFig. 3です。

Fig.3 RT数の時間依存性
 すごい飽和を感じる。。。どちらのツイートも一定の時刻から急速に立ち上がり、最終的にRT数が飽和している傾向が見て取れます。なお、急速に立ち上がる時間はフォロワー数が多かったり影響力のある方にRTされた通知が来たタイミングと重なっています。
 どちらのツイートも80000秒経過下時点で一旦飽和したようにみえて再度RT数が増え始めています。こちらの理由は簡単でその時間帯がちょうど深夜帯だったからです。筆者もその時間は寝ているので記録は取れていません。( ˘ω˘)スヤァ…
 さらに比較をわかりやすくするため、RT数と経過時間をほぼ飽和したとみられるRT数とその時点での時間で規格化したグラフがFig.4です。

Fig.4 規格化したRT数の時間依存性

 かなりキレイに重なってる(ようにみえる)!RT数が3倍程度異なる2つのツイートですが、規格化してみるとかなりよく似た時間依存性を持っているように見えます。2つだけのツイートの比較ですが、ここまでキレイに重なるのはすこしびっくりしたのが正直な感想です。一体、この振る舞いはどんな関数形で表されるんだろう。。。

【まとめ】
 本記事では、「バズった2つの異なるツイートのリツイート数の時間変化を調べる」を調べることでバズり方に普遍性があるかどうかを調べました。RT数の3倍異なる2つのツイートを比較することで、2つが同様のRT数の時間依存性を持つことを明らかにしました。
 おそらくこの背景には各アカウントのネットワークを反映した数理モデルが存在していると思いますが、勉強不足のためそこまでは調べることができませんでした。今後はそういう方面の勉強もしていきたいなぁと思った今回の調査でした。
 知識が足りないとおもしろいものをおもしろく理解できないから悲しいですね。

【参考記事】
3,Private heart-broken.

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