2月の気になった物理系記事

2月の気になった物理系記事まとめです。
2月は仕事もプライベートもダメダメでした(´・ω・`)。

  1. 1111型鉄系超伝導体の母物質に見られるディラック電子
    https://research-er.jp/articles/view/67517
    コメント:CaFeAsFの単結晶をもちいた量子振動測定により、反強磁性相のフェルミ面を決定した研究。1111というのと、ベリー位相が見えたことが新規性かな?非双晶化してアレ測りたい。
  2. デバイスに依存しない量子暗号
    https://phys.org/news/2018-02-good-quantum-trickery.html
    コメント:”エントロピー蓄積”とよばれる手法を利用することで、通信機器に依存しない量子暗号通信が可能なことを示した研究。この分野も進展すごいなぁ。
  3. CdSにおける巨大な第二次高調波の電気的制御
    https://phys.org/news/2018-01-optical-contrast-electronic-transistors.html
    コメント:CdSにおける10^4以上のOn/OFF比率をもつ非線形光学効果の観測。光トランジスタなどの光電気デバイスの開発につながるかも。
  4. カイラルフォノン
    https://phys.org/news/2018-02-scientists-chiral-phonons-d-semiconductor.html
    コメント:WSe2にみられるカイラルフォノン、つまり原子の回転振動の発見。あたらしいタイプのフォノン関連の現象がみつかるかな?
  5. トポロジカル絶縁体レーザー
    https://phys.org/news/2018-02-topological-physics-lasing-highly-efficient.html
    コメント:フォトニックトポロジカル絶縁体を利用した新原理のレーザーの理論と実験的アプローチ。トポロジカル絶縁体はレーザーに利用できないと考えられていたが、高効率で欠陥にも強いレーザーが作れることを示したとのこと。つよい。
  6. スピンゼーベック効果と熱スピンガルバニック効果
    https://phys.org/news/2018-02-advances-spintronics-technology.html
    コメント:シリコンとパーマロイを組み合わせてスピン流の生成と検出を達成した研究。安価なスピントロニクスデバイスの開発に期待。
  7. 準粒子オデロン
    https://phys.org/news/2018-02-odderon-large-hadron-collider-potential.html
    コメント:LHCでの実験で奇数個のグルーオンからなる?準粒子”Odderon”の間接的証拠が見つかったらしい。ちょっとよくわからない。
  8. 超流動中での摩擦の発見
    https://phys.org/news/2018-02-friction-nonein-superfluids-absolute.html
    コメント:超流動中では摩擦がないと考えられていたが、それが見つかったという論文。ボルテックスにトラップされた準粒子が原因ではないかと推測しているとのこと。超流動ですら摩擦が起きるんだから、人間関係も摩擦が起きるよね。
  9. 遷移流における抵抗の法則
    https://www.oist.jp/ja/news-center/news/2018/1/30/32281
    コメント:これまで層流と乱流の抵抗はレイノルズの法則から理解されていたが、その中間の遷移流に対してはよくわかっていなかったが、それらが乱流と層流の組み合わせで理解できることを示した研究。OIST楽しそう。
  10. 平面ラットリング
    https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP470063_R30C18A1000000/
    コメント:これまでカゴ状物質のみで生じると思われていたラットリング振動が平面構造でも生じる原因を明らかにした研究。新しい熱電材料誕生なるか?
  11. 光パルスによるスピン歳差運動の制御
    https://research-er.jp/articles/view/67554
    コメント:ポンププローブ分光で、2回目のポンプ光のタイミングを変化させることでスピンの歳差運動を制御した論文。光とスピンの組み合わせおもしろい。
  12. ペロブスカイト表面における極性補償
    https://phys.org/news/2018-02-strange-crystal.html
    コメント:極性の異なる平面が積み重なったイオン性結晶で、如何に”極性崩壊”が回避されているか、表面の分光観察から明らかにした研究。表面は面白い。
  13. ナノスケールの二次元物質の温度の測り方
    https://phys.org/news/2018-02-temperature-two-dimensional-materials-atomic.html
    https://physics.aps.org/articles/v11/12
    コメント:走査型透過電子顕微鏡観察によるグラフェンやTMDの温度の測定法を開発した論文。局所的な熱膨張率から見積もるみたい。ナノスケールの温度測定、たしかに普通の方法じゃできないか。
  14. 惑星間GPS
    https://physics.aps.org/articles/v11/11
    コメント:規則的なパルサーの信号を利用して、惑星間移動に利用できるGPSをつくろうという研究。精度10km程度で認識できるらしい。壮大な研究だ。
  15. 量子速度限界
    https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP470609_W8A200C1000000/
    コメント:「量子力学の基本から見直すことで、量子速度限界の根本的起源が、量子力学特有の現象を引き起こす不確定性原理にはなく、様々な現象を記述する運動方程式に広く成立するものである」ことを明らかにした研究。イメージ図が笑える。
  16. 青色発光有機無機ハイブリッドペロブスカイト半導体
    http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/180202_1.html
    コメント:メチルアンモニウム塩化鉛(CH3NH3PbCl3)が励起子のフォトンリサイクリングにより青色に発光することを明らかにした研究。きれい。
  17. グラフェンに対する光照射によるプロトン伝導率の増大
    https://news.mynavi.jp/article/20180202-579884/
    コメント:「グラフェン膜の片面を白金ナノ粒子で修飾し、これに太陽光を当てたところ、プロトン伝導率が約10倍も増加する」ことを発見。ガイム曰く、「「原子レベルの薄い体積中にプロトン、電子、光子が同時に入っている本質的に新しい実験系」とのこと。
  18. SiGeによる人工シナプス
    https://news.mynavi.jp/article/20180202-579982/
    コメント:SiGeの転位を利用した人工シナプスの開発。シミュレーション上、ニューラルネットワークによる手書き文字の認識率95%を達成する事が可能らしい。はやく実機を作って欲しい。
  19. 金属絶縁体転移、ラシュバ効果、ワイル粒子の電場制御
    https://phys.org/news/2018-02-quantum-interactions-material.html
    コメント:Ag2BiO3において金属絶縁体転移、ラシュバ効果によるスピンスプリット、ワイル半金属相が電場制御できことを理論的に示した論文。てんこ盛りである。
  20. スーパーイオニックアイス
    https://phys.org/news/2018-02-experimental-evidence-superionic-ice.html
    コメント:惑星内部の環境では、氷は酸素格子中を水素原子が拡散するスーパーイオニック状態になることが予言されている。この状況をレーザー衝撃により再現し、スーパーイオニックアイスの兆候を実験室で捉えた研究。気合がすごい。
  21. 酸化物界面における二次元ホールガス
    https://phys.org/news/2018-02-materials-mystery-key-next-generation-electronic.html
    コメント:SrTiO3/LaAlO3/SrTiO3の構造にすると上側界面にホールガス、下側界面に電子ガスができるらしい。新しい物性がみられるかな?
  22. SmB6はトポロジカル絶縁体ではない
    https://phys.org/news/2018-02-year-controversy-solid-state-physics.html
    コメント:近藤効果によるトポロジカル近藤絶縁体と考えられてきたSmB6だが、バルクと表面における近藤効果の差が生み出す単なる表面導体ではないかという新たな解釈。反論が期待される内容だ。
  23. フォトニックトポロジカルバレーホール端状態
    https://physics.aps.org/synopsis-for/10.1103/PhysRevLett.120.063902
    コメント:導波管を通る光の散乱を抑制するため、フォトニックトポロジカルバレーホール端状態を利用した研究。他の端状態よりバレーホール端状態が作りやすいらしいが、他のってどんなだろう。
  24. InGaN量子井戸の固溶限界
    http://ex-press.jp/lfwj/lfwj-news/lfwj-science-research/22699/
    コメント:GaNにInをドープすると発光色を緑から赤にシフトさせることができるが、30%以上ドープできないことが謎だった。TEM、RHEED、理論計算からIn25%を超えるとIn1個とGa2個が交代する規則的パターンの形成が生じることが原因と判明。現実は厳しい。
  25. 水とシリカのちがい
    https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP470505_V00C18A2000000/
    コメント:水とシリカはよく似ているが、ガラスへのなりやすさが異なる。この違いが「水とシリカの間には、距離の秩序に関して類似性があるものの、方位の秩序に関しては大きな違いがあり、それらがそれぞれ、上述の水とシリカの結晶構造、密度異常、粘性異常などの類似性とガラス形成能の大きな相違の物理的起源」となっていることを解明。身近にある物質なのにわかってないこと多すぎ問題。
  26. ベーテストリング
    https://phys.org/news/2018-02-bethe-experimentally.html
    コメント:SrCo2V2O8の磁気励起に見られるベーテストリング型励起。初めて聞くタイプの現象なので面白い。素粒子理論と物性のつながりは面白いですね。
  27. 高強度レーザーで超高速電子を止める
    https://phys.org/news/2018-02-intense-laser-evidence-electrons.html
    コメント:超高強度レーザーを超高速電子にあてると電子のスピードがおちる、量子効果の観測。電子はレーザーウェークフィールド加速で加速するらしい。なんかサーフィンしたい。
  28. 電荷カタストロフ
    https://phys.org/news/2018-02-electrons-resist-layer-electrical.html
    コメント:EUV光を使った回路パターンの書き込みに関して、電子とレジストの反応を詳細に調べた研究。現象はカタストロフィ理論を用いて説明できるらしい。微細化の裏にはしっかりした物理現象があるんですね。
  29. 三層グラフェンの作り分け
    https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP470666_W8A200C1000000/
    コメント:グラフェンが3枚積層した3層グラフェンにおいて、2種類存在する積層パターン(ABA および ABC 構造)の作り分けに成功した研究。ARPESでディラック電子の有無が観測されている。微妙な差が大きな結果の差を生むんだなぁ。
  30. スピン流熱電変換素子の性能を約1年で100倍向上 
    https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP471078_Z00C18A2000000/
    コメント:マテリアルインフォマティクス技術を駆使して、Pt合金が従来の100倍のスピン流熱電変換効率を持つことを明らかにした研究。スピントロニクスの実用化まであと少し?
  31. フレキシブルスピントロニクス
    https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP470831_X00C18A2000000/
    コメント:歪方向に磁石の磁化方向が変化する現象を利用して、歪の方向を検出する歪方向センサを開発。いままで向きは検出できてなかったのか。
  32. ダークフォトン
    https://physics.aps.org/synopsis-for/10.1103/PhysRevLett.120.061801
    コメント:ダークマター候補の一つ、ダークフォトンの検出をLHC実験から試みた研究。残念ながら兆候は見られなかった。2021年までに数百倍に感度を向上させて再チャレンジするらしい。ダークマターはいつになったら見つかるの?
  33. 物質の内部に隠れたトポロジー
    https://research-er.jp/articles/view/67836
    コメント:軟X線光電子分光でセリウムモノプニクタイドCeX (X: P, As, Sb, Bi)のバンド構造のトポロジカル相転移を発見した研究。輸送特性とかほかの測定手段でも変化が見えるんだろうか?
  34. 異常ホール効果を利用した不揮発性メモリ
    https://research-er.jp/articles/view/67839
    コメント:配線材料に鉄を基本とする磁石材料を用いることで、高い信頼性を実現しうる次世代不揮発性磁気メモリを開発した研究。異常ホール効果の実用手段があるとは思わなかったです。
  35. 原子層間の電子分布の可視化
    https://research-er.jp/articles/view/67804
    コメント:層状物質TiS2(硫化チタン)の原子層内の電子分布と層間の電子分布をX線構造解析から明らかにした研究。理論計算は層内の分布は再現できるが、層間の電子分布は再現できない。理論もまだまだ発展途上なんだなぁ。
  36. 移動式光格子時計
    https://phys.org/news/2018-02-optical-clock-gravitation.html
    コメント:移動式の光格子時計。見た目からヤバイ。色んな場所の重力をはかれるぞい!
  37. 乱流の漸近的究極領域
    https://phys.org/news/2018-02-upscaling-turbulence-laboratory.html
    コメント:50年前に理論的に予想されていた、漸近的究極領域と呼ばれる乱流状態を実験室で再現することに成功した研究。その状態の乱流はスケーラブルな性質を示すとのこと。乱流は奥深い。
  38. ヘッジホッグスピンボルテックス結晶
    https://phys.org/news/2018-02-link-superconductivity-revealed.html
    コメント:鉄系超伝導体で存在が期待されていたスピン密度波、スピン電荷密度波に次ぐ第3の磁気状態、ヘッジホッグスピンボルテックス結晶状態をCaKFe4As4で発見した研究。ただのキワモノ物質かと思ってたら、予想外な性質を示すものだ。
  39. 高機能単元素2次元半導体としての数層テルル
    https://phys.org/news/2018-02-few-layer-tellurium-successor-black-phosphorus.html
    コメント:数層テルルが数層黒リンと並ぶ高機能な単元素二次元半導体的性質を示すことが理論的に予言されていたが、それを実験で確認した研究。単元素を原子層にするといろんな性質を示すなぁ。
  40. 工業化に向けた大面積2次元遷移金属ダイカルコゲナイドの合成
    https://phys.org/news/2018-02-scalable-two-dimensional-materials-advance-future-gen.html
    コメント:工業化には小片ではなくてシリコンウェハーのような大面積の2次元TMDが必要であり、その合成法を提案する研究2つ。サファイア基板を使用することで巨大な大面積原子層フィルムの作製に成功したとのこと。どんな高機能デバイスが誕生するかな?
  41. 2次元物質の内部歪の可視化
    https://phys.org/news/2018-02-method-reveal-stresses-properties-material.html
    コメント:物質の歪は電子状態に影響を与えるが、2次元物質のそれを測定するのは難しい。結晶の対称性を反映する2次高調波の強度をマッピングすることで、結晶内部の歪の可視化に成功した研究。心の歪みも可視化して欲しい。
  42. カイラル磁性体の相境界で生じる異常ホール効果の符号反転の理論的解明
    http://advances.sciencemag.org/content/4/2/eaap9962
    コメント:非共面的磁性体ではスピンペリー曲率由来でトポロジカルホール効果が生じる。それとは別に、相境界近くで揺らいでいるが局所的に相関があるスピンに由来し符号が上記ホール効果と逆の別種の異常ホール効果が生じることを理論的に解明した研究。異常ホール効果の闇は深い。
  43. トポロジカル量子光学インターフェイス
    https://phys.org/news/2018-02-routing-photons-topological-photonic.html
    コメント:古典光学領域のトポロジカルな性質はよく調べられてきたが、光ー物質強結合領域のトポロジカル現象は調べられてきていない。そこで、トポロジカル光学状態と量子エミッターの強結合を実現した研究。量子光学むずかちい…
  44. ハニカム格子イリジウム化合物におけるスピン-軌道量子液体
    https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP471416_U8A210C1000000/
    コメント:ハニカム格子イリジウム化合物H3LiIr2O6が50mKまで磁気秩序を生じないこと、極低温においてフェルミオン的励起が存在することをNMRと比熱測定から明らかにした研究。昔学会でみて良い雑誌を狙っている感じがしたが結局Natureになったのですね。
  45. 極微細高性能磁気トンネル接合素子
    https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP471458_U8A210C1000000/
    コメント:「「形状磁気異方性」を積極活用する新しい磁気トンネル接合素子を提案し、一桁ナノメートル台でも十分な熱安定性と電流誘起磁化反転を実現する素子の動作実証に成功しました。作製した素子の最小サイズは3.8ナノメートル」を実現した研究。現行の100倍のワーキングメモリ実現の可能性はやばい。
  46. カムチャッカ半島産の鉱物の中に量子ビット
    https://research-er.jp/articles/view/67872
    コメント:カムチャッカ半島のトルバチク火山で発見された鉱物 K2Cu3O(SO4)3が低温で一次元量子もつれ状態、Haldane状態にあることを実験と理論から示した研究。カムチャッカ量子ビットのタイトルがずるい。
  47. 単分子ピエゾ圧電効果
    https://phys.org/news/2018-02-molecule-piezoelectric-effect.html
    コメント:Ag(111)表面上のheptahelicene由来単分子にピエゾ効果を測定した研究。観測されたピエゾ効果の大きさはピエゾ圧電ポリマーや酸化亜鉛並とのこと。単分子の未知の物性は面白いなぁ。
  48. 株式市場における量子調和振動子
    https://phys.org/news/2018-02-stock-quantum-harmonic-oscillator.html
    コメント:株式市場の収益率の分布を量子調和振動子を用いて記述する研究。収益率の揺らぎが生じると平衡状態への回帰が生じるが、この振る舞いが量子化されているとのこと。ブラウン運動的振る舞いは有名だけど、量子調和振動子的振る舞いも見えるんですね。
  49. ワイル半金属における光電流
    https://phys.org/news/2018-02-current-material-reveals-electrons-elusive.html
    コメント:ワイル半金属に偏光を当てると、そのカイラリティに従って逆向きの電流が流れる。この理論を実験的に検証した研究。ワイル半金属はいろんな性質があっていくらでも論文がかけるなぁ。
  50. 透明p型アモルファス半導体
    https://research-er.jp/articles/view/67971
    コメント:Cu-Sn-I系半導体が溶液塗布だけでできる透明p型アモルファス半導体であることを明らかにした研究。n型アモルファス酸化物半導体のIGZOの対になる存在らしい。タイトルからHSN研特定余裕でした。
  51. 超原子二次元半導体Re6Se8Cl2
    https://phys.org/news/2018-02-superatomic-d-semiconductor.html
    コメント:一般的に2次元半導体の構成要素は単一元素だが、基本単位が複数元素のクラスターからなる超原子二次元半導体Re6Se8Cl2を発見した研究。未知の物性が期待されますね。
  52. 室温での単一スキルミオンの電気的検出
    https://phys.org/news/2018-02-magnetic-skyrmion-room-temperature.html
    コメント:磁気力顕微鏡とホール抵抗測定から単一スキルミオンの電気的検出に室温で成功した研究。異常ホール効果が重要でトポロジカルホール効果の寄与は小さかったらしい。実際のデバイスにはあと10~15年かかるのか。。。
  53. 3光子束縛状態
    http://science.sciencemag.org/content/359/6377/783
    コメント:光子とリドベルグ原子(高量子数の励起状態)との非線形光学相互作用を利用することで、本来生じない光子間相互作用を生じさせて3光子の束縛状態を形成した研究。リドベルグ原子、昔ちょっと勉強したけどこういう使い方もあるんだなぁ。
  54. 超伝導転移温度以上で形成される超伝導密度波
    https://phys.org/news/2018-02-hidden-superconducting-state.html
    コメント:非線形ジョセフソン結合に由来するテラヘルツ3次高調波を検出することでLBCOにおいて超伝導密度が空間的に揺らいだ密度波状態が超伝導転移温度以上である電荷密度波転移温度まで生じていることを明らかにした研究。STMだけで見えるのかと思いましたが、他の手段でも見えるんですね。
  55. 単一原子の量子状態操作
    https://phys.org/news/2018-02-major-discovery-quantum-states-atoms.html
    コメント:STMとESRを組み合わせたESR-STMによって単一Fe原子のスピン状態と周囲環境の相互作用を操作することに成功した研究。STMはなんでもできるなぁ。
  56. 負温度定常状態への緩和
    https://phys.org/news/2018-02-domain-negative-temperature-state.html
    コメント:二重の境界を持つ系におけるスピン集団では、負温度定常状態に緩和することがありうることを示した研究。どういうことかよくかわからんマン。
  57. 高品質2次元超伝導体における量子グリフィス相
    https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP472344_S8A220C1000000/
    コメント:高品質2次元超伝導体において量子金属相、量子グリフィス相を発見した研究。「先行研究のNbSe2で見えなかったのはなぜか」という問いに対して、「綺麗すぎたから」とあったのがおもしろかった。
  58. 磁性ワイル半金属
    https://phys.org/news/2018-02-neutrons-reveal-wild-weyl-world.html
    コメント:珍しい磁性ワイル半金属Sr1-yMn1-zSb2の発見。組成が中途半端で怪しさがある。
  59. 多層膜中を透過する光に隠れた対称性
    https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP472357_S8A220C1000000/
    コメント:「2種類の誘電体膜A,BをN層並べる場合の数は、2のN乗通りあるが、光の透過確率を計算すると、わずかに(N/2+1)通り」であることを明らかにした研究。隠れた対称性っておもしろい。
  60. 準結晶の超伝導
    https://research-er.jp/articles/view/68063
    コメント:「アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)の3元素を(適当な組成比で)組み合わせ、高速急冷法により準結晶を合成」すると超伝導体になったお話。Tc=50mKと超極低温。理論的にはどういう扱いなんだろう?
  61. フォノン真空揺らぎに制限される固体中の電子スピン寿命
    https://phys.org/news/2018-02-quantum-memory-hours.html
    コメント:ダイアモンドのNV中心のスピン保持時間がフォノン真空揺らぎに制限することを明らかにした研究。先行研究の問題を解決し、スピン緩和時間8時間を達成したとのこと。NV中心の物理は奥深い。
  62. 鉛筆で書く熱電素子
    https://phys.org/news/2018-02-electricity-pencil-paper.html
    コメント:鉛筆と感光紙、伝導性塗料のみで既存の熱電素子並の熱電効果を示すことを明らかにした研究。めっちゃ安くできそう。
  63. 単層MoS2でつくる多電極メモリスタ
    https://www.nature.com/articles/nature25747
    コメント:単層MoS2で多電極メモリスタの作製に成功した研究。脳のニューロンを模擬した回路への第一歩とのこと。遷移金属ダイカルコゲナイド大活躍ですね。
  64. SrNbO3における擬一次元伝導
    https://phys.org/news/2018-02-crystals-d-metallic.html
    コメント:SrNbO3でみられる擬一次元伝導の起源をTEMによる微視的構造観察から明らかにした研究。層状化合物の界面は不思議な事が起きるなぁ。
  65. ノーダルチェインの発見
    https://www.nature.com/articles/s41567-017-0041-4
    コメント:3次元ワイル・ディラック半金属のフェルミ面はノーダルリング、チェイン、リンク、ノットを構成することが理論的に知られていたが、ノーダルチェインは実現されていなかった。金属メッシュフォトニック結晶を作成することで、理論的、実験的にノーダルチェインの観測に成功した研究。トポォ!
  66. カイラル分子における光励起円二色性
    https://www.nature.com/articles/s41567-017-0038-z
    コメント:カイラリティの測定には磁性に依存した非常に小さな応答を観測する必要があった。超短紫外円偏光を用いた光励起を用いいることで、これまでよりも一桁大きな円二色性応答を観測することに成功した研究。これまでカイラリティを調べられなかった物質に適用できるかな?
  67. 価数の揺らぎが引き起こす電子の「量子」超臨界状態
    https://research-er.jp/articles/view/68264
    コメント:α-YbAlB4にFeを添加することで、価数揺らぎの量子臨界揺らぎを発見した研究。いろんな量子臨界状態があるんだなぁ。
  68. ペロブスカイト太陽電池の結晶相に「超格子構造」
    https://research-er.jp/articles/view/68275
    コメント:「室温では正方晶(Tetragonal)しか存在しないと思われていた有機金属ハライドペロブスカイト太陽電池の結晶相に立方晶(Cubic)と正方晶(Tetragonal)が共存していることを発見」した研究。ペロブスカイト太陽電池はどこまで効率が上がるかな?
  69. スピン波を利用した情報処理チップデバイス
    https://research-er.jp/articles/view/68274
    コメント:「スピン波を利用した多入出力情報処理チップデバイスを提案し、それを用いた物理リザバーコンピューティングが実現可能であることを数値シミュレーションにより実証」した研究。スピントロニクスも原理だけじゃなくて実デバイスができてくると面白いですよね。
  70. 絶縁体を使ったスピントロニクス素子の新たな動作原理
    https://research-er.jp/articles/view/68282
    コメント:「金属を酸化させることで電流を流さなくなった金属酸化物絶縁体を用いても、スピントロニクス素子を駆動可能であることを世界で初めて明らかに」した研究。酸化した金属がスピン流流すとかいう予想外の展開でおもしろい(。>∀<。)
  71. 放射光計測と応用数学
    https://research-er.jp/articles/view/68279
    コメント:「応用数学の手法のひとつ パーシステントホモロジー」を用いて酸化反応の進み方を実験と組み合わせて明らかにした研究。数学を取り入れた新しい分析手法って感じで、スキ。
  72. リドベルグポーラロン in ボーズガス
    https://phys.org/news/2018-02-creation-rydberg-polarons-bose-gas.html
    コメント:BECしたSr原子の一つを励起してリドベルグ原子化することで、励起された電子と内側の軌道に入るBECしたSrの相互作用を生み出した研究。リドベルグ原子にこんな使い方があったのね。思いつけないわ。
  73. 磁性分子のSpin S=60の基底状態
    https://phys.org/news/2018-02-largest-molecular-quantum-phase-transition.html
    コメント:120個の電子を含む磁性分子[Fe10Gd10(Me-tea)10(Me-teaH)10(NO3)10]·20MeCNがS=60の基底状態を持っていることを明らかにした研究。高スピン状態過ぎてわらえる。
  74. カーボンナノチューブに見られる新奇なエキシトン
    https://phys.org/news/2018-02-exciton-interactions-carbon-nanotubes.html
    コメント:共鳴ラマン分光を用いてカーボンナノチューブにみられる新奇なエキシトンを観測した研究。カーボンナノチューブもたくさん新しい研究が出てくるなぁ。
  75. 微分揺らぎの定理の検証
    https://phys.org/news/2018-02-validate-fluctuation-theorems.html
    コメント:微分揺らぎの定理をナノ粒子の挙動を観測することで検証した研究。揺らぎの定理もいろんなバリエーションがあるものだ。
  76. 孤立量子多体系の循環
    https://phys.org/news/2018-02-recurrences-isolated-quantum-many-body.html
    コメント:「孤立系はほぼ確実に初期状態に戻る」というポアンカレ回帰定理を量子多体系で実証した研究。自然てすごいなぁ。
  77. 二方向に伝わる情報
    https://phys.org/news/2018-02-two-way-quantum-particle.html
    コメント:古典系では情報は一方向にしか伝わらないが、量子系では2方向に伝えることができることを実証した研究。量子力学の不思議は付きないぞい。
  78. わずかな磁場でワイルーディラック電子状態を制御する
    http://advances.sciencemag.org/content/4/2/eaar2317
    コメント:CeSbTeでは僅かな磁場でワイルーディラック電子状態を制御できることを明らかにした研究。すごいけど、惜しむらくはARPESで確認できないことですね。
  79. 銅酸化物における電子相関により凍結したアンチノード粒子
    http://advances.sciencemag.org/content/4/2/eaar1998
    コメント:Cu-O結合方向(アンチノード方向)の電子が電子相関効果により凍結していることを時間分解光電子分光により明らかにした研究。こういう基礎的なとこからはっきりしていないんだなぁ。
  80. 一次元冷却原子で観測された対称性保護トポロジカル相
    http://advances.sciencemag.org/content/4/2/eaao4748
    コメント:一次元冷却原子系で観測された対称性保護トポロジカル相の研究。色んな形で色んな種類のトポロジカル相が報告されてるので、なんかよく整理された文献を読んでみたいですね。

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