春な人たちの論文

【イントロ】
 4月になりました。卒業式も終わり入学式の時期になると、ピンク一色に満開だった桜にも緑の葉がまざりはじめ、季節の移り変わりを感じます。
ただ、季節が変わっても「働きたくない!」という強い思いは変わりません。人生には変わらないものも確かにあるのだなぁ。
 そんな、変わるものと変わらないものが交差する春ですが、英語でいうと「Spring」です。そこで本記事では”Springer Theses”[1]の受賞者について調べてみました。

【方法】
 そもそもSpringer Thesesとはなんぞやという問題ですが、
Springer Thesesは、博士課程の研究において顕著な業績をあげている大学院を世界から選出し、その大学院で極めて優秀と評価された学位取得者の博士論文を書籍(電子版+上製本)の形で出版することを通して、その業績を顕彰し、世界に広め、これから研究者の道に進む皆さんのキャリアをサポートするプロジェクトです
とのことです[2]。なんかすごそう。。。
噂によると、受賞すると賞金5万円と上製本3冊もらえるらしいです。すごい。
でも、100ページ近くに渡る英文校正費用で全部消えるらしいです。かなしい。
一体どんなすごい人が受賞しているのか気になったので、年別と大学別に受賞者を調べてみました。世界中の大学から選ばれているのですが、今回は著者が日本人ぽい名前の方を選んで抽出してみました。

【結果】
 以下に2010-2018年に既に出版されている方々のお名前と論文名を示します。

図1、2018の受賞者

図2、2017の受賞者

図3、2016の受賞者

図4、2015の受賞者

図5、2014の受賞者

図6、2013の受賞者

図7、2012-2011の受賞者

次に、年別と大学別に受賞者の数を調べたのが下の図です。


図8、年別受賞者数


図9、大学別受賞者数


 たくさんいらっしゃいますね。全部で75名の受賞者がいらっしゃいました。HPによるとこれまでに全世界に940名くらいの受賞者の方がいらっしゃるみたいです。なので8%くらいが日本からの受賞者のようです。
 年別で見ると、賞が設立された2010~2012は人数が少ないですがそれ以降は平均13人位が毎年受賞されているようです。2018年が少ないのはこれから出版される分があるからでしょう。
 大学別に観てみると、東大と京大が圧倒的に多くて半分以上を占めています。科研費に比例しているのかな?また、海外大から受賞されている方もいて、留学先で凄く良い博士論文を書かれたのだとしたら、ほんまにすごいなぁという印象です。

【まとめ】
 今回は、優れた博士論文に与えられるSpringer Thesesの受賞者について調べてみました。名前を見てみると現在も活躍されている方も多く、すごい人はすごい博論書いてるんだなぁという感想です。次は全世界版を調べてみるかなという感じですね。

【参考文献】
1,Springer Theses, https://link.springer.com/bookseries/8790
2, 「Springer Theses」とは(pdf注意)

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