今年のノーベル賞は光物理でござる

今年のノーベル物理学賞が発表されました。
受賞されたのは下記の皆様です。(敬称略)

Arthur Ashkin, Bell Laboratories, Holmdel, USA,
"for the optical tweezers and their application to biological systems"
「光ピンセットの開発と生物学への応用」

Gérard Mourou, École Polytechnique, Palaiseau, France, University of Michigan, Ann Arbor, USA
Donna Strickland, University of Waterloo, Canada
"for their method of generating high-intensity, ultra-short optical pulses"
「チャープパルス増幅(CPA：Chirped Pulse Amplification)による高強度超短光パルスの実現」

 光物理の分野が受賞とのこと、おめでとうございますJ('ｰ`)し。

 Ashkin博士(h-index=62)の発見は50年前のベル研で行われたようです。ベル研の底力を示していますね。最高齢の96歳での受賞とのことですが、冬のスウェーデンの授賞式が心配になります。
Mouro博士(h-index=92)は74歳。最近ではレーザーによる宇宙デブリの除去などを提案されているようで、精力的です。
Strickland博士(h-index=20)は、59歳。キュリー博士、メイヤー博士に次ぐ女性3人目のノーベル物理学賞ですね。これをきっかけにこれからも女性が増えていくかしらJ('ｰ`)し

知らない分野で難しいので、関連論文、関連スライドを集めました
勉強するぞ～～～ (*^^*)





 「光ピンセット」
  1. 光ピンセットを作る
  2. 光ピンセット技術とその応用
  3. Studio e caratterizzazione di una pinzetta ottica
  4. Optical TweezersPhysical Principle of Optical Tweezers
  5. Laser micromanipulation and microfabrication
  6.  A Step-by-step Guide to the Realisation of Advanced Optical Tweezers
  7. Calibration of Optical Tweezers
  8. Novel Micromanipulation Techniques For Optical Tweezers Using Spatial Beam Patterns
  9. Optical trapping and manipulation of nanostructures
  10. Cavity Optomechanics with optical microresonators
  11. Optical Tweezers
  12. Light in Action IOptical Tweezers Principles
  13. Optical Tweezers
  14. Optimization of Optical Tweezers
  15. A Macroscopic Tractor Beam with Acoustic Waves
  16. Introduction to Laser MaterialProcessing 
  17. Combined laser micro-manipulation and small-angle X-ray scattering
「チャープパルス増幅：CPA」

  1. 広帯域レーザー光のチャープパルス増幅に関する新手法開発とコンパクト化の研究
  2. Nonlinear Experiments done with the First CPA laser
    Donna Strickland
  3. COMPRESSION OF AMPLIFIED CHIRPED OPTICAL PULSES 
    Gérard A. MOUROU
  4. Extreme (Exawatt) Light Physics 
  5. Gérard A. MOUROU
  6. The Dawn of Ultrafast Science and Technology at the University of Rochester
    Gérard A. MOUROU
  7. Extreme Light Going Beyond The Horizon And  Socio-Economic Outlook
    Gérard A. MOUROU
  8. Lumière Extrême L’ Optique Relativiste Et ses Applications
    Gérard A. MOUROU
  9. Prospect for High Field Science
  10. Developpement d’une source laser femtoseconde de quelques cycles optiques pour la generation d’harmoniques sur cible solide
  11. 高速点火レーザー核融合の現状
  12. WHITEBOOK
  13. レーザーイオン加速の現状と応用展開
  14. Ultrahigh-Intensity Lasers: Physics of the Extreme on a Tabletop
  16. Practical ultrafast laser Practical ultrafast laser 
  17. micromachining
    18.
  18. 真空の破壊を目的にしたELI
  19. レーザーによる宇宙デブリ脱軌道

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有機物量子スピン液体の熱伝導論争の流れを振り返る

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初版：2022/1/23 第2版：2022/5/23 第3版：2022/6/30  [イントロ] 　量子スピン液体は、 P. W. Anderson によって提唱された磁性体の新奇な磁気状態です。この状態は、スピンフラストレーションによる大きな量子ゆらぎにより、極低温でもスピンが秩序化しない状態です[1, 2]。 　この量子スピン液体研究のブレークスルーの1つが、三角格子有機磁性体β′-EtMe3Sb[Pd(dmit)2]2における比熱、磁化率、そして熱伝導度の金属的振る舞いです。その結果は、量子スピン液体状態におけるスピノンFermi面の存在を示唆しており、注目を集めています。しかし、これらの測定結果のうち、熱伝導度の測定結果について2019年以来、日本のグループと中国、カナダのグループで矛盾した結果が報告されており、議論が続いています。 　そこで本記事では、この議論の経緯をまとめてみることにします。 [論争の流れ] 　有機物量子スピン液体の熱伝導論争は、おおよそ以下のような経緯をたどっています。国内外の学会で議論された内容もあるようですが、公に出版されている論文を元にまとめています。また、実際にはArxivに論文が出た時点でこれらの議論が始まっていましたが、下記では出版されている論文を引用しています。Arxivのバージョン間の内容の違いをみれば、リアルタイムで議論が行われている様子がわかりますのでご参考ください。 (※2022/2/19 追記：一部議論の時系列に誤りがあるとのご指摘をコメントで頂きました。正確な時系列は、コメント欄の加藤先生のご解説、及び下記論文のArxiv版バージョン間の議論の変化をご確認ください。） 有機物量子スピン液体候補物質の1つ、β′-EtMe3Sb[Pd(dmit)2]2が絶縁体にも関わらず、極低温で金属並の熱伝導度を示すことが京大グループによりScience誌に報告される。 ・M. Yamashita et al., Science 328, 1246 (2010) 図、β′-EtMe3Sb[Pd(dmit)2]2の熱伝導度の温度依存性 9年後、中国とカナダのグループが独立に追試を行ったところ、極低温の熱伝導度がゼロになり、Science論文の結果を再現できなかったことをPRLとPRXにそれぞれ報告する。 ・J. M. N
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