2019年12月の気になった物性系論文(完全版)

12月の気になった論文まとめ(完全版)。

一年が終わってしまいました。。。
一年間論文まとめを継続してやりきった感があります。
しかし、俺の人生は。。。
2020年は人生をやっていきたい。。。

やっていくぞ!!!



1,Discovery of Terahertz Second Harmonic Generation from Lightwave Acceleration of Symmetry--Breaking Nonlinear Supercurrents
https://arxiv.org/abs/1912.01676

コメント:Nb3Sn超伝導薄膜からのテラヘルツ波二次高調波発生の発見。

2,Coexistence of surface and bulk ferromagnetism mimics skyrmion Hall effect in a topological insulator
https://arxiv.org/abs/1912.02766
たしかにトポロジカルホール効果みたいな形状を感じる。。。

コメント:磁性トポロジカル絶縁体(V,Bi,Sb)2Te3の異常ホール効果が、スキルミオン由来のホール効果とよく似ていると言う報告。スキルミオンホール効果の解析には気をつけましょうとのこと。

3,A quantum liquid of magnetic octupoles on the pyrochlore lattice
https://arxiv.org/abs/1912.00928
磁気モーメントの温度依存性と多極子の形状も模式図

コメント:パイロクロア格子Ce2Sn2O7の中性子散乱から、量子八極子液体が実現していることを発見した論文。熱伝導とかの物性も気になりますね~。そしてファイルタイトルが””Nature-Revision””なのがアピール力高い。

4,Decoupling superconductivity and correlated insulators in twisted bilayer graphene
https://arxiv.org/abs/1911.13302
Spectroscopic evidence for a spin and valley polarized metallic state in a non-magic-angle twisted bilayer graphene
https://arxiv.org/abs/1912.07229
Cascade of Phase Transitions and Dirac Revivals in Magic Angle Graphene
https://arxiv.org/abs/1912.06150
Cascade of transitions between the correlated electronic states of magic-angle twisted bilayer graphene
https://arxiv.org/abs/1912.06145
h-BNを使わないマジックアングルグラフェンの作り方。ワクワクさん感ある。

コメント:今月のマジックアングルグラフェン論文。
1つ目:マジックアングルグラフェンでは絶縁体相と超伝導相が同時に観測されその関係が注目を集めていたが、この論文では絶縁体相がなくても超伝導相が発現する、すなわちそれらは別のメカニズムにより生じていることを報告している。
2つ目:マジックアングル(1.1°)から少しずれた捻りグラフェン(1.49°)において、スピン/バレー自由度が偏極した金属相が実現していることをSTMにより発見した論文。Watanabe & Taniguchi師のh-BNを使わずCu箔をつかっていることも新しい。
3,4つ目:マジックアングルグラフェンにキャリアをドープしていくと、スピン/バレー自由度から生じる4つのバンドに均等にキャリアが分配されず、一バンドつずつカスケード的に埋まっていくいくことを、STMと局所電子圧縮率測定により発見した報告。

5,Momentum Resolved Superconducting Energy Gaps of Sr2RuO4 from Quasiparticle Interference Imaging
https://arxiv.org/abs/1912.02798
準粒子干渉の測定結果と理論予想とギャップ構造。若干心の目を感じる・・・感じない?

コメント:30年来の難問といわれるSr2RuO4のギャップ構造の特定ですが、今年はNMRのp波超伝導再現性問題や時間反転対称性が破れていないことを示す実験の報告など様々な進展がありました。その流れの中で、ギャップ構造を直接観察した報告が年末に登場。非常に小さいGapサイズゆえに分光測定でその構造を捉えることは困難とおもわれていましたが、T=90mKにおけるSTMを使った準粒子干渉によりdx2−y2 (B1g) と矛盾しない測定結果が得られたとのことです。他の実験との整合性が今後の課題かな?

6,Observation of excess resistance anomaly at resistive transitions in Ag/Au nanostructures

https://arxiv.org/abs/1912.05428
コメント:久しぶりの登場の金銀ナノ粒子超伝導論文。超伝導転移直前に生じる抵抗の増大が磁場により抑制されることを発見しています。Tcも磁場で少し変化している・・・いるかな?うーん・・・

7,Preformed Cooper pairs in layered FeSe-based superconductors
https://arxiv.org/abs/1912.03508

コメント: 二次元性の高い(TBA)xFeSe(Tc=45K)において、NMR測定からTp=60Kから擬ギャップ的振る舞いが生じることを発見し、同時にそれが反磁性シグナルとネルンストシグナルを伴う超伝導揺らぎと関係していることを明らかにしている。銅酸化物っぽい!

8,Ultrafast Microscopy of a Plasmonic Spin Skyrmion
https://arxiv.org/abs/1912.03826
The Birth of a Plasmonic Topological Quasiparticle on the Nanofemto Scale
https://arxiv.org/abs/1912.03831
2光子光電子顕微鏡の模式図と測定結果の一例

コメント:干渉的時間分解二光子光電子顕微鏡を使って、金属表面に生じる新準粒子、プラズモニックスキルミオン/メロンを発見した報告。プラズモンが作り出す新たな創発準粒子、熱いな。

9,Spin-, time- and angle-resolved photoemission spectroscopy on WTe2
https://arxiv.org/abs/1912.06572


コメント:WTe2の高次高調波スピン・時間・角度分解光電子分光(STARPES)の報告。全部のせ感が好き。

10,How permeable is the impermeable graphene?
https://arxiv.org/abs/1912.09220

コメント:物質を透過させないといわれるグラフェンかどれほど透過させないのか、これまでより8~9桁精度を上げて調べた研究。数時間にヘリウム原子数個のレベルでしか透過しないとのことなので、それより大きな分子だともっと透過しないだろうとのこと。グラフェンコンドーム待ったなし!

11,Field-free platform for topological zero-energy mode in superconductors LiFeAs and PbTaSe2
https://arxiv.org/abs/1912.11513

コメント:LiFeAsとPbTaSe2というトポロジカル超伝導候補物質にFeを振りかけることで、超伝導ギャップ内にマヨラナゼロモードを出現させSTMで観測することに成功した論文。これで、トポロジカル超伝導かそうじゃないかとか、超伝導ギャップ対称性についても議論できたりするのかな?

12,Anomalous, anomalous Hall effect in the layered, Kagome, Dirac semimetal KV3Sb5
https://arxiv.org/abs/1912.12288
ホール伝導度と異常ホール伝導度の関係。その起源と関連している。

コメント:カゴメ格子ディラック半金属KV3Sb5が非磁性物質にも関わらず、Feを超える大きさの”異常な”異常ホール効果(Anomalous AHE)を示すことを発見した研究。強磁性金属でのAHEが注目される中、少なくとも0.25Kまで磁気秩序のない物質で見つかったAHE、その起源が気になりますね。
しかし、タイトルのドヤ顔感がすごい( ・´ー・`)

13,Corner states are not topologically protected
https://arxiv.org/abs/1912.10881

コメント:高次トポロジカル状態の反映として角モードや縁モードの存在が提唱され盛んな研究がなされている。これらの計算ではトポロジカル不変量としてWannier centerを系の特徴を表す量として使用しているが、この論文ではWannier centerは境界条件のとり方に依存しており、高次トポロジカル状態はトポロジカル保護されたものではないのでは?と提唱している。うーん・・・どうなんだろう?







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