「東大生に人気の業界はその後凋落するのか問題」に取り組んだが上手く行かなかった話


【イントロ】 
 生まれた成果は「本人の実力」のものなのか、それとも「環境に由来」するのかと言う問題は、色々と議論を呼ぶものですが、どちらのパラメータも大きな影響があることは間違いないと思われます。いくら周りの100倍成果を出しても環境が悪化する状況ではジリ貧ですし、平均的な成果しか出せなくても環境が良くなり続けていれば周囲からみれば相乗効果で実際以上の実力とみなされることもありえます。
 つまり、良い環境に身を置くことが、個人の成功にとっても重要だと思う次第です。
そうした「どこの環境に身を置くか?」という問題意識が切実になるのが、就職です。なぜなら人はパンがないと生きていけないので。。。
 就職先として、未知の成長業界に身を置くのか、安定した業界に身を置いたと思ったら凋落するのか…転職という手段があるとはいえ、転職するだけの価値を身につけることができるかはどの業界、会社を選んだかに影響を受けます。
 「どの業界を選ぶか?」と言う問題に優秀な学生、特に東大生はどのような選択をしているのか?というのは気になるところです。一方で、「東大生が選ぶ業界はその時点がピークで、その後凋落する」といったまことしやかな都市伝説も存在します。
 そこで本記事では、「東大生に人気の業界はその後凋落するのか?」という問題を東大卒業生の就職業界情報から探ろうとして…上手くいかなかったことを報告します。

【手法】
調べてみようと思い立ったきっかけは、Twitterでみかけたこちらのつぶやきです。氏がつぶやかれていた東大の「学部卒業者の卒業後の状況」と経済産業省の「経済産業省企業活動基本調査」から、卒業生の就職先情報と業界別の売上高/経常利益の年次変化を比較することで、「東大生に人気の業界はその後凋落するのか?」という問題を可視化できるのではと考えました。そこでまず、「学部卒業者の卒業後の状況」から各年次(2003~2017)のpdfをダウンロードし、学部卒業生の就職業界を抜き出しました。ちなみに、pdfはWordで開いてコピーしてからExcelに貼り付けるとやりやすいです(豆知識)。調べてみると2007年と2008年の間で業界の分類が変化したようですので、2008~2017年までの年度ごとの各業界の就職人数を表にまとめて見ました。(参考として2007も記載しています)

表1、業界別就職社数の年次評価(黄色は業界区別再編により存在しない区分)
表からわかるように、各年ともおよそ3000人の卒業生が存在し、半分の1500人程度が大学院に進学しています。また、表を眺めてみると、毎年各業界ごとにほぼ同じ人数がその業界に就職していることが見て取れます。そこでこれを可視化するために、積み上げ棒グラフでプロットしてみました。

図1,各業界への就職者数の比率の年次変化
うーん、だいたい一緒に見える。。。可視化前は、「製造業が減って、情報通信やコンサル系のサービス業が増えているかな?」と思っていましたが、ほとんどの業界の年次変化は1~2%程度で、この10年間で各業界への就職者比率が変わっているようには見えません。謎の力が働いている・・・?
 このまま、経産省の調査結果と比較しても「東大生に人気の業界はその後凋落する」ことを示せそうなプロットができなさそうなので、一旦ここで中断することにしました。
うーん。。。

【考察】
 「東大生に人気の業界」といったとき、それは何を意味するのかと考えると、人気の業界というものが存在すると言うより、同じ業界内で人気、もしくは多数の採用を行う企業が存在することを示しているのかなと思いました。
 また、今回は学部生の就職先をもとに調査を行いましたが、大学院の就職先には偏りが存在して、「人気の業界」を作り出している可能性もあります。(データが不完全のため大学院生の就職先データは今回含めませんでした)
 今後調査するのであれば、個別企業の採用者数の年次変化を調べてみると面白いかなと思いましたがデータ収集が大変だろうなぁと感じます。

【まとめ】
 卒業生の就職先情報と業界別の売上高/経常利益の年次変化を比較することで、反比例の関係を示すグラフを作ろうとしましたが、うまくいきそうにないので諦めた、、、今回はそういう記事です。
 人間諦めも大事ですよね。何でも上手く行かせることは難しいです。ただそこで立ち止まるのではなく、次なるチャレンジにつなげることが大切で、それが成長につながるんだろうなんだなぁと思う次第です。
 はぁ…成長してお金を稼ぎたい。。。

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