日本物理学会の会長になりたい!



【イントロ】
 その一言で、空は堕ち、大地は割れ、海は涸れ、原子核は崩壊し、ブラックホールは蒸発し、絶縁体が量子振動する。
 そう、それが日本物理学会の会長です。
 そんな日本の物理学界を代表する存在は、どういった方たちなのか気になりますよね?
そこで本記事では、歴代の日本の物理学会の会長について調べました。

【手法】
日本物理学会の歴代会長一覧を利用し、一人ひとりWeb検索したその経歴を調査しました。
Wikipediaや、亡くなられた先生の追悼記事などが情報源となっています。
出身は博士号を取得した大学で判定しています。
また実験・理論の区別、主要な研究分野は独断と偏見に基づいております。

【結果】
図1~4は歴代会長と各種情報です。
歴代の会長には、ノーベル賞受賞の湯川先生や線形応答理論の久保先生、ブラックホールで有名な佐藤(勝)先生など錚々たる研究者が名前を連ねています。
やはり日本物理学会会長は一流研究者の証ですね。

図1

図2

図3

図4

次に属性ごとに調査してみました。
まずは男女比です。図5に示すとおり、累計77名の会長のうち女性は3名です。
米沢先生、坂東先生、田島先生。
皆さん業界に名を残す大物の方々ですねJ( 'ー`)し
男女共同参画の観点から今後人数が増えていくことが期待されます。
図5
次に会長就任時の所属大学です。図6に示すとおり東大が一番多いようです。次に京大、阪大。旧帝国大学が並んでいますね。一方で地方大の方も多いです。旧帝大を退職後、次に移られたタイミングで会長に就任されたパターンの方たちがいらっしゃるようです
図6
次は研究分野ごとの人数です。
図7に示すように分野の選別が雑ですが、物性系の研究者の方が多そうです。
やはり物性しか勝たん。
それだけ分野の人数が多いのでしょうか。
図7

次は出身大学です。
やはり東大がナンバーワン。日本一の大学です。
次に来るのは阪大。京大ではないのが意外ですね。
また海外大出身のかたもいらっしゃるようです。
図8

さらに研究手法として実験と理論の先生、どちらが多いでしょうか?
図9に示すように、ダブルスコアで理論ですね。
理論の先生のほうが人望があるということでしょうか。
やはり物理は理論ありき。
図9

さて、最後は研究手法と分野の組み合わせで一番多い組み合わせはなんでしょうか?
図10に示すように、物性理論の先生が一番多くなっています。
物性理論の魅力がわかりますね。
図10

【まとめ】
 本記事では、歴代の日本物理学会会長について調査しました。
調査の結果、東大出身で東大に所属して物性理論分野の教員になることが日本物理学会の会長への近道であることがわかりました。
日本物理学会の会長を目指している方はご参考ください。
さて、次の会長はどなたになるのでしょうか。
歴代の錚々たる面々と方を並べる、迫力の違う先生がその座を担うことになるのかな?

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