投稿

2026年11月の気になった論文(暫定版)

イメージ
 労働難易度が高すぎる、助けてください ※Amazonアフィにアクセスしてお買い物して やってください🙇‍♀🙇‍♀🙇‍♀🙇‍♀🙇‍♀🙇‍♀ Kindle本 セール&キャンペーン https://link.amazon/A01CTShPC -2026/11/2-- In the age of big data and AI: do we still need chemical bonds? https://arxiv.org/abs/2611.00228 深層学習が組成・構造情報だけで高精度に物性を予測する時代に、化学結合の概念は必要かを問う論考。AllegroやMACEの埋め込みから線形プローブで結合記述子がR²>0.95で復元でき、結合が潜在空間に自然に現れることを示した。また電子構造特徴量を加えたMEGNetでは結合記述子により体積・せん断弾性率の予測誤差が15%減少。化学結合を電子構造の学習可能な表現として捉え直す視点を提案している。 Ab initio exploration of hydrogen-intercalated transition metal dichalcogenides: From identifying stable structures to emergent superconductivity https://arxiv.org/abs/2611.00271 水素をインターカレートした遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)の構造・熱力学・電子・超伝導特性を第一原理計算で調べた研究。多くの配置では2個の水素が単位胞あたり2電子を供与してバンドギャップが開き半導体化するが、例外的に金属的な配置も存在する。特定の水素配置は母物質の電荷密度波を完全に抑制する。ホールドープではTcはほぼゼロだが、電子ドープではギャップ上の高密度状態が占有されTcが最大25Kに達することを予測した。 Impact of Surface Preparation on the Propulsion of Catalytic Janus Colloids and Implications for Reproducibility https://arxiv.org/abs/2611.00274 過酸化水素で駆動されるPt被覆ポリスチレンの...

何を揉めとるねんシリーズ2~銅酸化物の熱ホール効果バトル!

この記事について 本記事は、現在 arXiv、論文誌上で論争が生じている La 2 CuO 4 を含めた銅酸化物の熱ホール効果測定に関する論文を、Claude でまとめた内容です。興味深い議論であったため、自分のメモ用として記事を作成しています。関西弁なのは趣味です。 この記事で分かること ・La 2 CuO 4 (LCO)の「巨大熱ホール効果」が、2025年に別のグループの精密測定でなんで見えへんかったんか、その経緯 ・食い違いの原因が「測定」「試料」「理論」のどこにありそうか、各論文の言い分と根拠 ・何が確立してて、何が示唆どまりで、何がまだ揉めてるんか 先に結論 熱の流れを川、磁場を横風やと思てな。Taillefer さんらは「LCO いう川に横風を当てたら、水が 0.3% くらい横に寄る」て報告しはった。Ong さんらが別の LCO の川を揺れにくい方法で測ったら、0.02% も寄らへんかった。どっちの測り方にも、はっきりした間違いはまだ見つかってへん。せやから今の争点は、「どの結晶に、どんな『川底の石(欠陥)』が沈んでるか」に移ってきてるんや。 2025年の7月にな、Princeton の N. P. Ong さんのグループが arXiv にプレプリントを1本出しはってん(Hu ら, arXiv:2507.21403)。これはその後、PNAS に掲載されてる [1]。中身は、LCO で熱ホール効果をめっちゃ高分解能で探したけど 見えへんかった 、いうもんや。LCO いうたら、もともとは銅酸化物高温超伝導体の「母物質」(Sr を入れてホールを足すと超伝導になる、出発点の物質)として、40年近く研究されてきた超有名物質や。それが2019年、Nature に「絶縁体の中でも最大級の熱ホール信号が出る物質」として載って、熱ホールの世界でも一躍注目の的になった。そこに真っ向から食い違う結果が出てきたわけや。ほんで2か月後には、ESPCI Paris の Behnia さんのグループから反論のコメント [2] まで出てきた。なかなか熱い展開やで。 登場するグループと論文の対応を、先に整理しとくわな。 Taillefer さんら (Sherbrooke):Grissonnanche ら [3, 4]、Boulanger ら...

Natureに 5本同時に 載ったから 2026年1月28日は W&T記念日

イメージ
[イントロ] いつもの呼吸として、Xを観ていたら 「ノーベル化学賞を受賞した David Baker が、Natureに2論文同時掲載( 1本目 、 2本目 )してる、すごい!」 というつぶやきを見かけたんですね。 Natureに論文を掲載することは、ある意味ほとんどの研究者にとっての夢、大きなマイルストーンといえ、そこに2本同時掲載するなんて本当の一流研究者の証拠、すごい!という趣ですね。 いや、チョット待てよ、と。 凝縮系物理オタクとしたら、 「Natureに2本同時掲載するなんて、呼吸のようなものでは?」 「Natureの2本同時掲載やりながら、同週にScienceも掲載待ったなし」 「逆にNature/Scienceに同時に載ってない週は不安になる」 という感想にもなります。 どういうことか? そう、凝縮系物理には、Condensed matter Physicsには、日本には、 世界のW&Tがいるじゃないか! 本記事では、日本が誇る世界的な研究者コンビ、NIMSの渡邊先生&谷口先生(W&T)がNatureやScienceといった一流論文誌にどれくらいの頻度で同時掲載しているのか? そうした疑問を調査してみました。 [手法] そもそも、W&T先生ってだれ?という方は、以前書いた こちらの記事 を参考にしてください。 渡邊先生、今(26年10月時点)だと h-index が249もあるんですね。どうなってんだ。 渡邉先生の Google Scholar 分析のためのデータの取得は、 OpenAlex と Crossref を利用しました。 データの取得と分析は、Claude Opus5.5を利用しています。 具体的な手法は以下の通りです。 データの収集 論文データベースの OpenAlex と Crossref を使い、2026年10月時点で渡邊賢司氏(NIMS)が著者に含まれる論文を収集しました。渡邊先生と谷口先生は基本的に常に共著となっている前提の分析となっています。 OpenAlexでは同じ研究者が複数の著者IDに分かれて登録されることがあるため、次の3つの経路で集め、重複を除いて統合しています。 渡邊氏の著者IDに紐づく論文 谷口尚氏の著者IDに紐づく論文のうち、著者リストに渡邊氏がいるもの 論文に記載された著者表記(Ke...