何を揉めとるねんシリーズ2~銅酸化物の熱ホール効果バトル!

この記事について

本記事は、現在 arXiv、論文誌上で論争が生じている La2CuO4 を含めた銅酸化物の熱ホール効果測定に関する論文を、Claude でまとめた内容です。興味深い議論であったため、自分のメモ用として記事を作成しています。関西弁なのは趣味です。

この記事で分かること

・La2CuO4(LCO)の「巨大熱ホール効果」が、2025年に別のグループの精密測定でなんで見えへんかったんか、その経緯
・食い違いの原因が「測定」「試料」「理論」のどこにありそうか、各論文の言い分と根拠
・何が確立してて、何が示唆どまりで、何がまだ揉めてるんか

先に結論

熱の流れを川、磁場を横風やと思てな。Taillefer さんらは「LCO いう川に横風を当てたら、水が 0.3% くらい横に寄る」て報告しはった。Ong さんらが別の LCO の川を揺れにくい方法で測ったら、0.02% も寄らへんかった。どっちの測り方にも、はっきりした間違いはまだ見つかってへん。せやから今の争点は、「どの結晶に、どんな『川底の石(欠陥)』が沈んでるか」に移ってきてるんや。

2025年の7月にな、Princeton の N. P. Ong さんのグループが arXiv にプレプリントを1本出しはってん(Hu ら, arXiv:2507.21403)。これはその後、PNAS に掲載されてる [1]。中身は、LCO で熱ホール効果をめっちゃ高分解能で探したけど見えへんかった、いうもんや。LCO いうたら、もともとは銅酸化物高温超伝導体の「母物質」(Sr を入れてホールを足すと超伝導になる、出発点の物質)として、40年近く研究されてきた超有名物質や。それが2019年、Nature に「絶縁体の中でも最大級の熱ホール信号が出る物質」として載って、熱ホールの世界でも一躍注目の的になった。そこに真っ向から食い違う結果が出てきたわけや。ほんで2か月後には、ESPCI Paris の Behnia さんのグループから反論のコメント [2] まで出てきた。なかなか熱い展開やで。

登場するグループと論文の対応を、先に整理しとくわな。

  • Taillefer さんら(Sherbrooke):Grissonnanche ら [3, 4]、Boulanger ら [5]。熱ホールが「出た」側。
  • Ong さんら(Princeton):Hu ら [1]。熱ホールが「出えへんかった」側。
  • Behnia さんら(ESPCI Paris):Li ら [6]、Jiang ら [2]。SrTiO3 の熱ホールの発見者で、今回 Hu らに反論した側。

論文は筆頭著者の名前で呼ぶのが普通やから、同じグループが別の名前で出てくることがある。そこだけ気ぃつけてな。

この記事では、関係する論文をまとめて読み比べて、どこが揉めどころなんかを整理していくで。先に言うとくけど、どっちのグループが正しいかは、ここでは決めつけへん。今の時点では、決めつけられるだけの材料がないからや。そのかわり、それぞれの主張がどのくらい確かなんかは、次のラベルではっきり書き分けとくわな。

この記事で使う確度のラベル:

確立 複数の独立したグループの結果で支えられ、大きな反論がない
示唆 根拠はあるが決定打ではない(1グループだけの結果を含む)
論争中 正反対の主張が並立している
筆者の見立て 論文の主張ではなく、筆者が論文を読み比べて出した推論

※ この記事の「筆者」は AI(Anthropic の Claude)です。論文の読み比べ、文章、図の作成は AI が行いました。

1. まずな、熱ホール効果ってなんやねん

この章のポイント:絶縁体で熱の流れが磁場で曲がったら、「電荷のない何かが磁場を感じてる」証拠になる。せやから面白いんや。

高校で習た「ホール効果」、覚えてるか? 金属に電流流して、垂直に磁場かけたら、電子がローレンツ力で横に曲げられて、電流と直角の向きに電圧が出る。あれや。

熱ホール効果いうのは、あれの「熱」版やねん。試料の片っぽをヒーターで温めて、x 方向に熱を流すやろ。ほんで z 方向に磁場をかけると、熱の流れがほんのちょっとだけ y 方向に曲がって、横向きに温度差 ΔTy が出ることがあるんや。ここで使う量は、この3つだけ覚えといたらええ。

  • κxx(縦熱伝導率):まっすぐ x 方向への、熱の伝わりやすさ。
  • κxy(熱ホール伝導率):横に曲がる熱の、伝わりやすさ。
  • κxy/κxx(熱ホール角):まっすぐ流れる熱に対して、横に曲がる割合。論文によっては κ/T(温度で割った値、単位 W/(K2·m))で表示してることもある。低温で比べやすなるからや。

おもろいのは絶縁体の場合やねん。絶縁体には自由に動ける電子がおらへんから、熱を運ぶんは主に2種類の粒子や。一つはフォノン(結晶格子の振動を粒子とみなしたもの)、もう一つはマグノン(スピンの向きがそろって揺れる波を粒子とみなしたもの)。どっちも電荷を持ってへんから、ローレンツ力は働かへん。素直に考えたら、熱は曲がらへんはずやろ? それやのに熱ホールが見えたら、「電荷もないのに磁場を感じとる何かがおる」いうことになる。せやから熱ホール効果は、けったいな励起を探す道具として注目されてきたんや。

磁場 H(z 方向、紙面の手前向き)ヒーター熱浴ΔTy(上下の温度差)熱流(まっすぐ x 方向)→ κxxほんの少し横へ曲がる成分 → κxy

図0 熱ホール測定の模式図(筆者作成の概念図)。寸法と曲がり具合は誇張しています。実際の熱ホール角は、この記事に出てくる物質では最大でも 0.3〜0.4% 程度です。

ミニ用語集(この先に出てくる言葉)

擬ギャップ相
銅酸化物にホール(下を参照)を少し入れたときに現れる状態。電子のエネルギーの一部に「すき間(ギャップ)」が開いたように見えるけど、その正体はまだ分かってへん。
ホールドープ量 p と p*
p は、銅1個あたりに入れた「電子の抜け穴(ホール)」の数。p* は擬ギャップ相が終わる p の値で、Nd-LSCO や Eu-LSCO では p* ≈ 0.23。p = 0 が LCO そのもの(絶縁体)や。
Nd-LSCO / Eu-LSCO
LCO の La の一部を Sr に置き換えてホールを入れ、さらに Nd や Eu を混ぜた物質。p* の前後の性質を調べるのによう使われる。
ベリー曲率
粒子の量子状態が、運動量によって「ねじれてる」度合い。これがあると、何にもぶつからへんでも、粒子の流れが横にそれることがある。
強誘電の量子臨界ゆらぎ
SrTiO3 は、あと一歩で強誘電体(電気の分極が自然にそろう物質)になる手前で、量子力学的なゆらぎに邪魔されて秩序ができへん物質。その「なりかけ」のゆらぎのこと。
ネール温度 TN
反強磁性(隣どうしのスピンが逆向きにそろう状態)の秩序ができる温度。LCO では、論文によって約 255〜270 K と書かれてる。
κzy
熱を z 方向(CuO2 面に垂直)に流して、磁場を面の中の向きにかけたときの熱ホール伝導率。「面に垂直方向の熱ホール」や。
散乱時間 τ と κH
τ は、フォノンが何かにぶつかってから次にぶつかるまでの平均時間。κH は理論の論文でよう使う熱ホール伝導率の記号で、中身は κxy と同じもんや。
スキュー散乱
ぶつかったときに、左右どっちかへ偏って散らばる散乱。磁場があると左右の対称性が崩れて、起こりうる。
反対称化
+H と −H で測った値の「差の半分」をとる操作。磁場の向きで符号がひっくり返る成分(ホール成分)だけを取り出せる。
熱浴
試料の片端をつなぐ、温度を一定に保った大きな金属ブロック。熱の「捨て場所」や。

2. 主張の移り変わり:2003年から2025年まで

この章のポイント:Taillefer さんら自身が、2019年から2020年にかけて「何が熱を運んでるか」の解釈を変えてはる。もともと固まってへん問題やったんや。

年論文主張(ひとこと)
2003Hess ら [8]LCO の熱はフォノン+マグノンが運ぶ
2019Grissonnanche ら [3]大きな負の κxy。運び手はフォノン以外
2020Li ら [6]SrTiO3 でもフォノン熱ホール
2020Grissonnanche ら [4]運び手はフォノン(解釈を転換)
2020Boulanger ら [5]他の銅酸化物でも熱ホール角 ≈ 0.3%
2021Sim ら [7]SrTiO3 の熱ホール:18O 置換で κxy が約1/100
2021–22理論 [9–11]欠陥がフォノンを横に曲げる
2025Hu ら [1]LCO で熱ホールが見えへん
2025Jiang ら [2]Hu らの試料は乱れが多い

表1 主張の移り変わり(各論文の本文から筆者が要約)。[ ] の番号は末尾の参考文献に対応します。

それぞれの根拠を、ざっと順番に見とこか。

2003年(Hess ら)。熱伝導の向きによる違いを調べて、LCO の面内の熱伝導は低温ではフォノン、高温(200〜300 K あたり)ではマグノンも混ざる、と示しはった。面に垂直方向はフォノンだけや。Zn を入れていくと、マグノンが走れる距離が Zn の濃度に反比例して短なる、いうことも見せてはる。

2019年(Grissonnanche ら、Nature)。擬ギャップ相で大きな負の κxy が出ることを見つけた。この時点では「フォノンではない」と判断してはった。理由は、κxx の磁場依存性がめっちゃ小さいから、フォノンのスキュー散乱では弱すぎるやろ、いうもんや。

2020年(Li ら)。磁性のない絶縁体 SrTiO3 でも大きなフォノン熱ホールが出ることを見つけた。よう似た KTaO3 では約1/30しか出えへん。同じ試料でも、105 K の構造転移より上に温めてから測り直すと κxy が変わる。これを根拠に、構造ドメイン(結晶の向きがそろった小区画)が関わってるんちゃうか、と考えはった。

2020年(Grissonnanche ら、Nature Physics)。LCO で κzy ≈ κxy を見つけて、「運び手はフォノン」に解釈を切り替えた。Nd-LSCO では p = 0.24 で κzy = 0、p = 0.21 で有限。不純物は同じやのに p* をまたいで出たり消えたりするから、機構は欠陥やなく「内因的(物質そのものの性質)」や、と主張してはる。

2020年(Boulanger ら)。Nd2CuO4 と Sr2CuO2Cl2 でも、LCO と同じような熱ホールを見つけた。κxx が8倍違っても熱ホール角はそろう。これを根拠に、構造ドメイン説と希土類不純物説を否定してはる。

2021年(Sim ら)。SrTiO3 の酸素を 18O に置き換えたら、κxy が約2桁減った。構造転移は同じなのに差が出て、熱履歴による変化もない。せやからドメイン説には合わへん、量子臨界ゆらぎが関係してるんちゃうか、という主張や。

2021〜22年(理論3本)。どれも「フォノンが欠陥にぶつかって横に曲げられる」型の機構を提案してる。内因的な機構(ベリー曲率)への評価は三者三様で、くわしくは6章で見るで。

2025年(Hu ら、Jiang ら)。Hu らは磁場掃引法で緩和を待って測って、熱ホールは見えへんかった。上限は先行値の1/10〜1/30 や。κxx は先行研究と一致する、とも書いてはる。Jiang らは、その κxx が熱ホールの出た試料より20 K で1.4倍低いことを指摘して、「試料が汚れてるからちゃうか」と反論した。

ここ、めっちゃ大事なとこやから押さえといてな。2019年の時点では、Taillefer さんらは「これはフォノンちゃうで」て言うてはったんや。それが2020年、熱を面に垂直に流しても同じ大きさの κxy が出るのを見て、「やっぱりフォノンやったわ」と結論をひっくり返しはった。理屈はこうや。電子やスピン由来の励起は、CuO2 面の中しかよう動かれへん。フォノンだけは、面の中も面の間も同じくらい動ける。せやから、面に垂直に流しても同じだけ熱ホールが出るんやったら、運んどるのはフォノンしかおらん、いうわけや。

示唆 「LCO の熱ホールの運び手はフォノン」いう見方の根拠は、Taillefer さんらの κzy ≈ κxy の測定と、物質を変えても κxy が κxx に比例するという測定や。どっちも同じグループの結果やけど、2021〜22年の理論論文もみんなこの前提に乗っかってる。ただな、今回の論争は、その前提になってる信号がそもそもほんまにあるんか、いうところを突いてきてるんや。

3. 数字で見たら、どんだけ食い違ってんねん

この章のポイント:κxx は1.4倍しか違わへんのに、κxy は少なくとも8倍、論文の上限どおりなら13倍以上違う。この非対称が論争の核心や。

ほな、20 K あたりの値を並べてみよか。まず普通の熱伝導率 κxx からや。

20 K 付近の κxx(W/(K·m))、線形軸05101512.4Taillefer 側[3]8.7Hu ら[1]

次に熱ホール伝導率 |κxy| や。こっちは値の幅が広いから、対数軸にしてある。Hu さんらは「信号が見えへんかった」わけやから、値は「これより小さい」という上限でしか言われへん。せやから棒やなくて、▼と下向きの矢印で描いてるで。

20 K 付近の |κxy|(mW/(K·m))、対数軸12510205010038.625.7≈ 3.2(分解能から)2(論文の上限)Taillefer 側15 T の報告値10 T に換算(筆者の推定)Hu ら 10 T上限値■ 測定値 ▨ 筆者の換算値▼ 上限値(下向き矢印=これより小さいという意味)
データの出典と換算(クリックで開く):図1(上:κxx、下:

κxy

)のデータの出典と換算

Taillefer 側の値。κxx = 12.4 W/(K·m) と κxy = −38.6 mW/(K·m)(20 K)は、測定を行った Grissonnanche ら(2019)[3] の Table 1 の値です。同表では、磁場は 15 T、κxx はゼロ磁場での値と記載されています。同じ値は Boulanger ら(2020)[5] の Table 1 にも引用されていますが、そこでは磁場が 12 T と記載されています。本記事では、測定元である [3] の 15 T を採用しました。

Hu ら側の κxx。8.7 W/(K·m) は Hu ら [1] 本文の「20 K 付近」の値です(arXiv 版 v1)。

10 T への換算(筆者の推定)。Taillefer 側の κxy が磁場に比例すると仮定して、15 T の値を 10 T に換算しました(38.6 × 10/15 ≈ 25.7)。比例の根拠は、Grissonnanche ら(2020)[4] の Extended Data Fig. 6 で、κzy が 10 T と 15 T でほぼ磁場に比例していることです。

Hu らの上限(2通りの換算)。▼ の 2 mW/(K·m) は、論文が 2〜20 K 全体について掲げる上限

κxy

/T < 1×10−4 W/(K2·m) に 20 K を掛けた筆者の換算値です(Jiang ら [2] にも同じ値の記載があります)。一方、Hu ら [1] は本文で、15.6 K での分解能を κxy/T にして 1.6×10−4 W/(K2·m) と見積もっています。これに 20 K を掛けると約 3.2 mW/(K·m) になります(▽、筆者換算)。温度が高いほど装置の安定性は下がると書かれているので、20 K での実際の分解能はこれより悪い可能性があります。また、論文の図で確認できる磁場掃引法の κxy データは 17 K 付近までで、20 K での比較は論文が掲げる上限を当てはめたものです。

どや、これが今回の揉めごとの全部や。κxx は1.4倍しか違わへんのに、κxy は桁で違う。Hu さんらは最大 10 T までしか磁場をかけてへんから、Taillefer さんらの値を 10 T に換算してみた(25.7 mW/(K·m))。それでも Hu さんらの上限とは、論文の上限 2 で比べたら約13倍、分解能から見積もった約3.2 で比べても約8倍の開きが残る。熱ホール角で言うたら、Taillefer さんら側の 0.30% に対して、Hu さんらの上限は 0.023%(2 ÷ 8700 からの筆者換算)。Hu さんら自身は「先行報告より10〜30倍小さい上限」て書いてはる。

つまり、分解能をきびしめに見積もっても、「Taillefer 型の信号やったら見えてたはず」いう結論は動かへん。この「片方だけえらい違う」状況をどう読むか。ここからは3つの論点に分けて見ていこか。

4. 論点A:どっちかの測定がおかしいんちゃうか

この章のポイント:どっちの測定にも、公表されてる範囲では決定的な欠陥は見つかってへん。

熱ホールの測り方には、大きく分けて2種類あるんや。

  • 温度掃引(TS)法:磁場を固定したまま温度を変えて測って、そのあと磁場をひっくり返して同じことを繰り返し、反対称化で κxy を出す。Taillefer さんらはこっちや。
  • 磁場掃引(FS)法:温度は一定に保ったまま、磁場を階段みたいに少しずつ変えて測る。Hu さんらは主にこっちを使てはる。

言葉だけやとピンとけえへんと思うから、絵にしてみたで。横軸はどっちも「時間」や。上と下で、何を固定して何を動かしてるかが逆になってるのがミソやねん。

温度掃引(TS)法磁場 H0温度 T時間 →+H に固定−H に固定高温で反転冷却同じ温度での +H と −H の測定は、時間が離れる
磁場掃引(FS)法磁場 H0温度 T時間 →+H−H まで階段状に変えるT は一定。H を変えるたびに温度スパイク■ 緩和を待ってから取得する時間帯+H と −H を、ひと続きの掃引の中で測れる
データの出典と換算(クリックで開く):図2(上:TS 法、下:FS 法)の手順の出典

筆者作成の概念図です。段の数・高さ・時間の長さは、実際の測定とは対応していません。

TS 法。Grissonnanche ら(2020)[4] の Methods によると、100 K で +15 T をかけて約 5 K まで冷やし、温度を段階的に上げながら、各温度で加熱前のバックグラウンドを測ってから測定します。そのあと 100 K で −15 T に反転して、同じ手順を繰り返します。Hu ら [1] の Sec. II B も参照しました。

FS 法。Hu ら [1] の Sec. II A と Fig. 1 によると、磁場を 0.1〜1 T の段で約 500 s ごとに変えます。各段の直後に熱浴の温度が 1〜6 mK 跳ねるので、3〜8 分待ってから取得します。1温度あたり4回の掃引を行います。

上の TS 法やと、同じ温度での +H の測定と −H の測定のあいだに、温度の列をまるまる一周するぶんの時間が挟まるやろ(赤い丸と破線のとこや)。その間に装置がちょっとでもゆっくりズレたら、それが差に混ざってまう。これが Hu さんらの心配やねん。下の FS 法やと、±H を一回の掃引の中で続けて測れるし、上りと下りの掃引を組み合わせて打ち消すこともできる。そのかわり、1温度測るだけでえらい時間がかかる。TS 法は温度依存性をまとめて取れるかわりに、±H の間が空く。どっちにも得手不得手があるんや。

Hu さんら(Ong グループ)の言い分

Hu さんらが強調してはるのは、磁場を一段変えるたんびに、試料と熱浴の温度がピクッと跳ねる、いうことや。原因は、試料の磁気熱量効果(磁場で温度が変わる効果)と、金属部分に流れる渦電流の発熱。FS 法やったら、これが落ち着くまで数分待ってから測れる。その結果、2.3 K で横の温度差を約 30 μK まで見分けられて、κxy/T に直したら 4×10−5 W/(K2·m) になる、て書いてはる。

ところが同じ装置で TS 法を使たら、ばらつきが FS 法のだいたい10倍になってもうた。しかもそのばらつきの一番大きいとこは、先行研究の信号(1.2×10−3 W/(K2·m))と同じくらいやった。ただし、符号はランダムにころころ入れ替わる。つまり Hu さんらは、「TS 法やと、ゆっくりした緩和みたいな非平衡の効果を見分けられへんのちゃうか」いうて、疑問を投げかけてはるわけや。

もう一個、警告もある。LCO にはスピンがほんの少し傾いた「弱強磁性」があって、4〜7 T あたりでスピンの並び方が切り替わる転移(メタ磁性転移)が起きるんや。Hu さんらはこれのせいで熱伝導にヒステリシス(行きと帰りで値が違う現象)が出るのを見てはって、なんも考えんと反対称化したら、ニセの熱ホール信号が混ざるかもしれへんで、と言うてはる。示唆 これは Hu さんらの指摘で、Taillefer さんらのデータにほんまにどれだけ効いてたんかは、どの論文でもまだ検証されてへん。

Taillefer さんら側のデータの「守り」

ほな逆に、Taillefer さんらの論文を読んでみたらどうか。ランダムな雑音やったら、まず説明でけへんような性質がそろてるんや。

  • 符号がいっつも負で、温度に対してなめらかに変わる。
  • 10 T と 15 T を比べたら、ほぼ磁場に比例しとる [4]。
  • 3種類の物質で、κxx が大きいほど κxy も大きい [5]。
  • 同じ測定系で、Nd-LSCO と Eu-LSCO の p = 0.24 試料やと κzy がちゃんとゼロ(2試料、10 K まで)[4]。装置のせいでニセ信号が出てへんことの対照実験になってる。
  • 熱浴を銅ブロックから絶縁体の LiF に替えても、同じ κxy が出た [5]。

Behnia さんらの「分解能が低い」いう批判

Behnia さんらのコメント [2] は、「Hu さんらの装置は雑音がえらい大きいやないか」と批判してはる。ただな、比較に使われたのは Hu さんらの Fig. 2b で、これは雑音の大きい TS 法のデータなんや。Hu さんらが結論に使た FS 法の上限は、20 K で約 2〜3 mW/(K·m)(3章の換算値)。Taillefer さんら型の数十 mW/(K·m) の信号やったら、十分見える精度やねん。届かへんのは、Ca をちょびっと置換した SrTiO3 みたいな、1 mW/(K·m) クラスのちっちゃい信号だけ、いうことになる。

論争中 どっちの測定が信頼できるかについては、両方のグループの主張が並び立ってる状態や。筆者の見立て そのうえで筆者の見立てを言うと、公表されてる範囲では、どっちの測定にも決定的なアカンとこは見当たらへん。ほな残る有力候補はなにかいうたら、「試料がちゃう」いうことになるわな。

5. 論点B:結晶が「きれい」か「汚い」かで、熱ホールは変わるんか

この章のポイント:SrTiO3 では「κxx がある値を割ると κxy が激減する」傾向が見えてる。けど、それが LCO にも当てはまるかは、まだ誰も確かめてへん。

Behnia さんらのコメントで一番重たい指摘は、ここやねん。絶縁体の結晶がきれいかどうかの目安には、κxx の大きさ、特にピーク値がよう使われる。不純物や欠陥が少ないほど、フォノンの平均自由行程(粒子がぶつからんと走れる距離)が長なって、熱をよう運ぶからや。Hess さんら(2003)[8] が LCO に Zn をちょっとずつ入れていったら、マグノンの平均自由行程が Zn の濃度に反比例して短なった、いう結果も、熱伝導が欠陥にどんだけ敏感かを示すええ例やな。

Hu さんらは「κxx は先行研究とよう合うてる」て書いてはって、その根拠に 20 K あたりの 8.7 W/(K·m) を挙げてはる。比べた相手は、Hess さんら(2003)の約 7 W/(K·m) と、Grissonnanche さんら(2020)の 15 T での約 10 W/(K·m) や。それに対して Behnia さんらは、「いやいや、熱ホールが出た Boulanger さんら(2020)の試料と比べたら、20 K で1.4倍も違うやないか」とツッコんではる。つまり Hu さんらの試料は、Hess さんらの結晶には近いけど、熱ホールが出た Taillefer さんら側の結晶よりは低め、いう立ち位置になるわけや。

ほな、κxx と κxy の関係を並べて見てみよか。上が SrTiO3、下が LCO や。横軸の意味が違う(上はピーク値、下は 20 K の値)から、わざと別々の図にしてある。

SrTiO3 の各試料(ピーク値どうし)1251020501002025303540目安線 κxx ≈ 25(Behnia ら)κxy が激減κxx のピーク値(W/(K·m))|κxy| のピーク値(mW/(K·m))出版済みの値未出版(Wuhan)
La2CuO4 の2試料(20 K での値どうし)※ 横軸は 20 K の値で、ピーク値ではない上の図のしきい値線とは直接比較できない125102050100051015Taillefer 側Hu ら(上限)20 K での κxx(W/(K·m))20 K での |κxy|(mW/(K·m))
データの出典と換算(クリックで開く):図3(上:SrTiO3、下:LCO)のデータの出典

SrTiO3 の8点。Jiang ら(2025)[2] のコメントの Table I から、κxx のピーク値と −κxy のピーク値をそのまま使いました。測定磁場は 9〜12 T で、試料ごとに異なります。白抜きの2点は、同表で「To be published」とされている未出版データ(Wuhan)です。Seoul の2点は Sim ら(2021)[7] の試料に対応します。目安線の 25 W/(K·m) は、Behnia らが本文で述べた値です。

LCO の2点。図1と同じ 20 K の値です(Taillefer 側は 15 T、Hu らは 10 T)。Hu らは 20 K までしか測っていないので、ピーク値は得られません。そのため SrTiO3 とは横軸の意味が異なり、上の図の目安線とは直接比較できません。Hu らの

κxy

は換算した上限値で、▼が論文の上限からの値(2)、▽が分解能からの値(約3.2)です。

上の SrTiO3 を見てみ。κxx のピークが 25 W/(K·m) を割った試料で、κxy が1/10〜1/50 にガクッと落ちてるやろ。だんだん減っていくんやなくて、ある値を境にストンと落ちる「しきい値型」に見えるんがミソや。Behnia さんらは、LCO の2試料もこれと同じ構図ちゃうか、と言うてはるわけやな。

確立 ちなみに、純良な SrTiO3 で数十 mW/(K·m) の κxy が出ること自体は、Paris(Li ら [6])と Seoul(Sim ら [7])の独立したグループが出版済みの論文で報告してる。Jiang ら [2] の表には、Shanghai や Wuhan のグループの値も載ってる。こういうのが「確立」や。

ただし、Behnia さんらの「しきい値」の話は、鵜呑みにしたらあかん。留保が3つあるんや。

留保1:そもそも物質がちゃう。SrTiO3 のしきい値が、LCO にそのまま当てはまる保証はどこにもあらへん。図3の下を見ても、LCO の κxx は SrTiO3 よりずっと小さい範囲におる。LCO の結晶でこの関係を確かめたデータは、まだ一個もないんや。

留保2:同じデータでも、読み方が割れてる。18O 置換の SrTiO3 は、Behnia さんらのコメントでは「乱れた試料」の例として挙げられとる。ところが、当の Sim さんら(2021)[7] は別の見方をしてはるんや。天然の 16O 試料にも 0.2% くらい 18O が混ざってるんやから、酸素サイトの乱れ自体は効いてへんはずや。効いてるのは、18O 置換で強誘電の量子臨界ゆらぎが抑えられたことやろ、いう解釈やねん。ちなみに Sim さんらの試料では、κxx は 50 K より上ではほぼ同じで、それより下で低めになってる。

留保3:SrTiO3 でも、κxx だけで κxy は決まらへん。Li さんら(2020)[6] では、κxx がほぼ同じ2試料で、κxy に3倍の差があった。しかも同じ試料でも、105 K の構造転移より上に一回温めてから測り直したら、κxy が変わってもうた、とも報告してはる。

論争中 「汚れた結晶やと熱ホールが激減する」いう話は、SrTiO3 では複数の結果がその傾向を示してる。けど、一般則として確立したとはまだ言われへん。LCO に当てはまるかどうかは、まだ誰も確かめてへんのや。

6. 論点C:理論でこの食い違いは説明できるんか

この章のポイント:どの理論でも、「全体的にちょっと汚い」だけで熱ホール角が10倍以上変わるのは説明しにくい。

ここで理論の論文が効いてくるんや。それぞれの機構は、「試料がきれいになったら、熱ホール角 κxy/κxx がどう変わるか」について、ちゃう予言をするからな。中身を超ざっくり言うたら、「フォノンが何にぶつかったときに、左右どっちかに偏って曲げられるんか」の違いや。

機構提案ひとことで熱ホール角の予言Hu らの結果への含意
内因的(ベリー曲率)Grissonnanche ら [4] が可能性として言及フォノンの状態そのものが、磁場の下で「ねじれ」を持つ散乱によらず、平均自由行程で増幅されない理論側の評価は否定的(下の本文を参照)。試料差で10倍変わる説明にはなりにくい
帯電欠陥による散乱Flebus–MacDonald [9]酸素欠損など電荷を帯びた欠陥の中で、イオンにローレンツ力が働く。普通の散乱との干渉で偏りが出る低温で温度にほぼよらない。中性の欠陥による散乱が増えると下がる欠陥の「種類の比率」が違えば大きく変わりうる
共鳴スキュー散乱Sun–Chen–Kivelson [10]内部に3つのエネルギー準位を持つ「動く欠陥」が、フォノンと共鳴して偏った散乱を起こすκH ∝ τ2 なので、熱ホール角は τ に比例。共鳴欠陥の密度にも比例τ の違いだけなら1.4倍程度。共鳴欠陥の密度が違えば大きく変わりうる
サイドジャンプGuo–Joshi–Sachdev [11]反強磁性の環境に埋まった不純物スピンにフォノンが吸収・再放出されるとき、少し横にずれるフォノンの寿命によらない「全体的な汚れ」では変わらない。不純物スピンの有無や種類が違う必要がある

表2 理論機構の比較(各論文の本文から筆者が要約)。「Hu らの結果への含意」の列は筆者の整理で、各論文が Hu らの結果を論じているわけではありません。

内因的機構への評価は、三者で言い方がちゃうから正確に書いとくで。Guo さんら [11] は「ベリー曲率の寄与は観測を説明するには小さすぎる」と、はっきり書いてはる。Sun さんら [10] は「普通は重要でない寄与」という扱いや。Flebus さんら [9] は、「この種の機構やったら低温で熱ホール角が下がるはずで、温度によらない実験と合わへん」という温度依存性からの議論をしてはる。

Hu さんらの試料は、κxx が1.4倍小さいだけやのに、熱ホール角は少なくとも13倍も小さい(論文の上限で筆者換算)。これを表2に当てはめたら、こうなるねん。

  • サイドジャンプ機構やと、熱ホール角はフォノンの寿命によらへん。せやから「汚れてるから」では説明でけへん。実際 Guo さんら [11] は論文の冒頭で、銅酸化物の熱ホール角が、κxx や試料の質がバラバラでも 0.002〜0.006 の範囲に収まってる、いう当時の観測を、理論が説明せなあかん事実として挙げてはる。
  • 共鳴スキュー散乱で τ だけが変わったんやったら、変化は1.4倍くらいで止まる。ただしこれは、κxx の比をそのまま τ の比とみなした話や。比熱と音速が両方の試料で同じ、いう仮定が入ってるで。
  • Boulanger さんら(2020)[5] では、κxx が8倍も違う物質どうしでも、熱ホール角はそろうてた。

筆者の見立て つまりな、もし試料の違いが原因やとしても、それは「全体的に汚い」いう数字1個では説明しにくいんや。「熱ホールを生む特定の欠陥やスピン環境が、Hu さんらの結晶には無い(か、ちゃう種類や)」いう、質の違いである可能性が高いと筆者は考えてる。Hu さんら自身も、酸素の量の違いが弱強磁性を通じて効いてるかもしれへん、と書いてはる。

ほんで、ここにおもろいねじれがあるんや。理論の多くは「欠陥こそが熱ホールを生むんや」と考えてる。せやったら、欠陥の種類によっては、汚い試料のほうが熱ホールが大きなることすらありえるやろ。「汚れは熱ホールの敵や」いう Behnia さんらの図式と、理論側の図式は、必ずしも同じ方向を向いてへんのや。

さらにややこしいのが、Grissonnanche さんら(2020)[4] の対照実験や。同じ Nd-LSCO で、同じ種類の不純物を含んでても、p = 0.21 やと熱ホールが出て、p = 0.24 やとゼロになる。単純な欠陥説では、これがよう説明できへん。せやから Taillefer さんらは「機構は内因的や」と主張しはった。理論側は、仮定を一個足して対応してる。Guo さんらは「反強磁性的な環境の中の不純物スピン」、Flebus さんらは「電子による電荷の遮蔽の強さ」、Sun さんらは「金属やと電子が欠陥の励起状態をすぐ壊してまう」、いう具合や。

論争中 機構が「内因的」なんか、それとも「欠陥+周りの電子状態の組み合わせ」なんかは、LCO の信号があるかないかとは別に、まだ決着がついてへん問題や。

7. 物質ごとに並べてみたらどうなるか

この章のポイント:信号が出た銅酸化物は熱ホール角 0.3% 前後に集まってて、Hu さんらの LCO は「出えへん側」の物質と同じ水準にある。

最後に、物質ごとの熱ホール角を一覧にしてみたで。Hu さんらの値は上限やから、棒やなくて「ここより左(小さい)」いう矢印で描いてる。

Nd2CuO40.37La2CuO4(Taillefer 側)0.30Sr2CuO2Cl20.26SrTiO30.20La2CuO4(Hu ら)≤ 0.023(上限、筆者換算)SrTi18O3約 0.01(図からの概算)KTaO30.0070.0050.010.020.050.10.20.51|κxy/κxx|(%)、対数軸測定値(論文の表の値)図から読み取った概算値上限値(左向き矢印=これより小さい)
データの出典と換算(クリックで開く):図4のデータの出典と換算

温度と磁場は論文ごとに異なり、完全にはそろっていません。

論文の表の値をそのまま使ったもの(Boulanger ら 2020 [5] の Table 1)。Nd2CuO4 0.37%(22 K、15 T)、Sr2CuO2Cl2 0.26%(25 K、15 T)、La2CuO4 0.30%(κxy と κxx の元データは Grissonnanche ら 2019 [3]。20 K、15 T。[5] の表では 12 T と記載)、SrTiO3 0.20%(20 K、12 T。元データは Li ら 2020 [6])、KTaO3 0.007%(30 K、12 T。元データは Li ら 2020 [6])。

換算したもの。La2CuO4(Hu ら)の 0.023% は、図1の上限 2 mW/(K·m) を κxx = 8.7 W/(K·m) で割った筆者の換算値です(20 K、10 T)。分解能から見積もった約 3.2 mW/(K·m) を使うと約 0.037% になります。

図から読み取ったもの。SrTi18O3 の約 0.01% は、Sim ら(2021)[7] の Fig. 4b(25〜80 K、9 T)から読み取った概算値です。破線の棒で区別しています。

信号が出た銅酸化物は、みんな 0.3% あたりに固まってるやろ。示唆 構造も磁気秩序もちゃう3種類の銅酸化物で同じくらいの熱ホール角が出る、いうことは、Taillefer さんらのグループの中では複数の試料で再現されてる。けど、ほかのグループが独立に確かめた結果はまだないし、LCO については Hu さんらの結果が真っ向から食い違ってる。せやから「確立」とは言われへん。

Hu さんらの LCO は、その1/10以下や。SrTi18O3 とか KTaO3 みたいな「出えへん側」の物質と同じくらいの水準やな。SrTiO3 でも「出る/出えへん」の二極化が見えてて、その分かれ目がなんなんかは、銅酸化物に限らへん、分野全体の未解決問題になってるんや。

8. 決着つけるには、何が要るんや

この章のポイント:一番の近道は、同じ結晶を両方の研究室で測ることや。

ここまでの整理から、決め手になりそうな実験を挙げとくわ。筆者の見立て

  • 同じ結晶を、両方のグループで測る。いわゆるラウンドロビン測定や。測り方の問題なんか試料の問題なんかを、いっちゃん直接に切り分けられる。
  • 試料の「身元」をそろえて公開する。κxx のピーク値、酸素量、ネール温度 TN、成長とアニールの条件を、熱ホールが出た結晶と出えへん結晶で並べて見せる。
  • 系統的な試料の系列を作る。Hess さんら(2003)が Zn の量を変えたみたいに、酸素アニールの条件や不純物の量をちょっとずつ変えた LCO の系列で、熱ホール角がなめらかに変わるんか、しきい値でストンと落ちるんかを調べる。これで Behnia さんらの説と、表2の各理論を区別できる。
  • 測定条件をそろえる。15 T とか、面に垂直な熱流(κzy)とか、Taillefer さんらと同じ配置で FS 法の測定をする。

9. 振り返り

最初の「川と横風」に戻るで。Taillefer さんらの川では水が 0.3% 横に寄って、Ong さんらの川では寄らへんかった。測り方の問題やなさそうやとしたら、残るのは「川そのもの」、つまり結晶に何が入ってるかや。それは「電荷のないフォノンが、どないして磁場を感じとるんか」いう、もっとでっかい謎の答えにもつながってる。続報が出たら、また整理するわな。

参考文献

  1. J. Hu, H. Xu, J. Yao, G. Gu, Q. Li, N. P. Ong, "High-resolution Measurements of Thermal Conductivity Matrix and Search for Thermal Hall Effect in La2CuO4", Proceedings of the National Academy of Sciences. 本記事の数値は arXiv 版(v1, 2025年7月)によります。
    PNAS / arXiv:2507.21403
  2. S. Jiang, Q. Xiang, B. Fauqué, X. Li, Z. Zhu, K. Behnia, "Comment on 'High-resolution Measurements of Thermal Conductivity Matrix and Search for Thermal Hall Effect in La2CuO4'", arXiv (2025).
    arXiv:2509.14105
  3. G. Grissonnanche ら, "Giant thermal Hall conductivity in the pseudogap phase of cuprate superconductors", Nature 571, 376 (2019).
    Nature / arXiv:1901.03104
  4. G. Grissonnanche ら, "Chiral phonons in the pseudogap phase of cuprates", Nature Physics 16, 1108 (2020).
    Nature Physics / arXiv:2003.00111
  5. M.-E. Boulanger ら, "Thermal Hall conductivity in the cuprate Mott insulators Nd2CuO4 and Sr2CuO2Cl2", Nature Communications 11, 5325 (2020).
    Nature Communications
  6. X. Li, B. Fauqué, Z. Zhu, K. Behnia, "Phonon thermal Hall effect in strontium titanate", Physical Review Letters 124, 105901 (2020).
    Phys. Rev. Lett. / arXiv:1909.06552
  7. S. Sim ら, "Sizable suppression of thermal Hall effect upon isotopic substitution in SrTiO3", Physical Review Letters 126, 015901 (2021).
    Phys. Rev. Lett. / arXiv:2012.06085
  8. C. Hess ら, "Magnon Heat Transport in Doped La2CuO4", Physical Review Letters 90, 197002 (2003).
    Phys. Rev. Lett. / arXiv:cond-mat/0301164
  9. B. Flebus, A. H. MacDonald, "Charged defects and phonon Hall effects in ionic crystals", Physical Review B 105, L220301 (2022).
    Phys. Rev. B / arXiv:2106.13889
  10. X.-Q. Sun, J.-Y. Chen, S. A. Kivelson, "Large extrinsic phonon thermal Hall effect from resonant scattering", Physical Review B 106, 144111 (2022).
    Phys. Rev. B / arXiv:2109.12117
  11. H. Guo, D. G. Joshi, S. Sachdev, "Resonant thermal Hall effect of phonons coupled to dynamical defects", Proceedings of the National Academy of Sciences 119, e2215141119 (2022).
    PNAS / arXiv:2201.11681

※ この記事は AI(Claude)が論文を読み比べて執筆したもので、文中の「筆者」は AI を指します。図はすべて、各論文に記載された数値(一部は換算値・図からの読み取り値。各図の「データの出典」に明記)から筆者が作成したもので、論文の図の転載ではありません。Hu ら [1] の内容は arXiv 版(v1)をもとに整理しています。PNAS の出版版では記述や数値が改訂されている可能性があります。Jiang ら [2] は執筆時点では査読前のプレプリントです。

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