メモリーズオブバズ2022~バズったツイートで振り返る2022年~
本記事は、あらBさん主催のアドベントカレンダー「じゆうちょう Advent Calendar 2022」の寄稿記事です。
【イントロ】
今年も1年が終わりますね。
早い早い、光速よりもずっと早い。
そう、2022年は宇宙の法則が破れたことでも記念碑的な1年になりました。
そんな新しい宇宙が創発した1年を自分のバズったツイートで振り返って見ることにしました。
「右の頬を打たれたら、バズったツイートでも漁っとけ」
新約聖書(アソブ記5節)にも記された、人間古来の行動で新宇宙の誕生を祝いたいと思います。
【方法】
Twitterのアナリティクス機能を使って2022年1-12月のトップツイートを調べてみました。便利機能だぜイーロン・マスク。
【振り返り結果】
1月のトップツイートは、人気Youtuberヨビノリたくみ先生のインタビュー記事を紹介したツイートでした。
大学レベルの物理学や数学をわかりやすく解説する講義動画や、各種研究者へのインタビュー動画など楽しい動画を沢山作成され、日本の理科教育レベルの底上げと興味関心を高めているヨビノリ先生の活動には頭が下がります。
物理学会に参加すると毎回1件か2件は、相対性理論や量子力学を否定する発見が報告されます。いわゆる季語ですね。世の中にはいろいろなおじさんがいるものです。だから毎日昼休みにCond-matをみて新着論文をチェックする異常なオジサンがいても許されるはずです。
God save you…
水を電気分解する白金触媒が従来は使われていましたが、京大のグループは、金や銀、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムといった希少金属を混ぜ合わせる方法を開発し、従来比10倍以上の電気分解性能を実現しました。まさにイノベーションですね。水を電気分解すれば水素ができます。水素自動車待ったなし。トヨタしか勝たん。テスラなんて乗ってる場合じゃないぜ。
5月のトップツイートは、東大と理研が開発した、水は通すが塩は通さないフッ素ナノチューブの開発を紹介した記事です。
このナノチューブはなんと、これまで細胞内の水取り込みに関与するアクアポリンと呼ばれるタンパク質の実に4500倍もの速度で水透過を実現することができるのです。コレがあれば圧倒的な速度での海水中の塩と真水の分離が可能となり地球上の水問題につながること間違いなし。
次世代半導体として注目を集めるGaNですが、結晶中の微細な欠陥がデバイス寿命に対して致命的となっており、その解消が求められていました。東北大は新しい結晶成長方法を開発することで、従来比1000分の1の欠陥をもつGaN結晶の育成に成功しました。現在世界的に半導体の需要が高まっています。高まっているのはPCやスマホに利用される微細加工の粋を集めたロジック半導体だけでなく、電力制御を司るパワー半導体も同じです。パワー半導体の次世代の主役の一人とも言われるGaNの高純度化の成功でさらなる半導体性能の高まりが期待されます。今の時代、半導体以外やってる人おる????
7月のトップツイートは、大阪王将の不衛生な調理環境を従業員が告発した事件のまとめ記事の紹介でした。ナメクジはやべえよ。。。
7月のトップツイートは、大阪王将の不衛生な調理環境を従業員が告発した事件のまとめ記事の紹介でした。ナメクジはやべえよ。。。
ここで我々の宇宙はNew Stepに到達したといっても過言。アウフヘーベンしました。まあ内容としては、有機化合物α-STF2I3にSとSeを1:1で混合すると、SとSeの中間の性質を持つと仮定した原子を利用して電子状態を計算するとうまくいくという話のようです。物は言いようですね。
研究資金を支援してくださる納税者の皆様にいかに研究に興味をもってもらうか。それが一番大事。架空の原子を誕生させることで人類は2000年来の夢である錬金術を完成させたのです。金同の錬金術師とはまさにこのこと。
9月のトップツイートは、2年前のエイプリルフールネタを紹介したツイートです。ネタの中身は超伝導に関するものです。
9月のトップツイートは、2年前のエイプリルフールネタを紹介したツイートです。ネタの中身は超伝導に関するものです。
超伝導は電気抵抗がゼロになる現象ですが、その実現温度はたかだか窒素温度以下に限られています。最近では高圧をかけることで0℃付近で超伝導になる水素化合物も見つかっていますが、まあ実用的ではありません。
じゃあどうするか?
室温下げればいいじゃん!
まさに天才です。リビングを模した模型の中に超伝導体YBCOをおいて、部屋の中を液体窒素温度以下にすることで、超伝導の証拠であるマイスナー効果を観測したのが、こちらのエイプリルフールネタ論文です。科学者というもの、コレくらいの発想の転換が必要ですね。我々が欲しているのはゼロ抵抗を示す物質ではなく、室温でのゼロ抵抗そのものなのだから、室温の定義を変えてしまえばいい。物事の前提を疑う科学者にしかできないイノベーションですね。
10月のトップツイートは、三菱電機の品質不正に関するものです。
10月のトップツイートは、三菱電機の品質不正に関するものです。
世界のトップ企業の一つ三菱電機に入ってもやってる品質保証は手作業にまみれた単純労働。50年近く前から続いてきた品質不正は、DXの欠如が原因だったと不正調査委員会は最終報告でそう述べています。DXが50年前にあったなら品質不正は起きなかったのです。DXがあったらテスト結果の書き換えも起きなかった、そうブロックチェーンがあれば!DXこそがすべての解決の道、まさにWeb3.0。DXの導入で品質不正はゼロにできる。D・X!D・X!D・X!
Diamond EXperienceで品質問題をゼロにして、日本企業が世界の中心に復活する日も近い!
これまで膨大なシミュレーション計算を必要としていたタンパク質の構造設計を、複雑系物理学や情報統計力学の理論の応用で、シミュレーションを不要とした数学公式を導出したというのが内容です。まさにイノベーションですね。
著者の方のツイートによれば、記事の内容は不十分で実際にできる範囲はかぎられているとのこと。注目をあつめるためのプレスリリースと研究内容の正確な紹介のトレードオフは難しいですね。
TSMCは言わずもがなの世界最大の半導体製造企業です。世界中にたくさんあった半導体企業が、製造コストの削減のため製造を外注しまくった結果、もはや最先端半導体はTSMCしか作れなくなってしまった世界の状況は喜劇のようでもあります。(もちろんサムスンとインテルが食らいつこうとはしていますが・・・)
そんなTSMCが日本の熊本に工場の設置を発表したのが今年。さらに横浜の設計センターに続いて設立するのが大阪拠点問事になります。先に開設された横浜拠点ではこれまで180人強の人員が採用され、8割が中途採用のエンジニア経験者とのことです。さらに22年4月から新卒採用が始まり4割が修士、6割が博士となっているそうです。なんと学部生がいない!?若くてやる気があって給料が安くても働いてくれるはずの学部生がいないとはどういうことでしょう!?専門知識や研究経験、資料収集や発表技術や語学力の高いことが期待される、修士、そして博士じゃないと務まらない仕事ということでしょうか。信じられない。。。やはり世界最高峰の企業は求める社員能力も世界最高峰のようです。
いかがだったでしょうか?この一年いろんなできことがありましたね。
来年はどんな年になるでしょうか?
次に来る新しい宇宙の誕生に向けて、期待を胸に新年を迎えたいと思います。
【おまけ】
今年買って良かったものたちです。
特にドラム式洗濯機が良かったですね。
洗濯を干すというこの世で最も無価値な作業が無くなったことでQOLがバク上がりしました。
書籍だと霊媒探偵城塚翡翠が面白すぎた。中身はぜひ読んでお確かめください。
あとは、時間の使い方も考えさせられましたね。
来年からはもっと真面目に考えんとなぁ。
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