【改題】室温超伝導ふたたび!~大丈夫じゃなかった、Natureの論文だもん!~


 
※追記5(20240309)
Natureから、2つの論文撤回に至る裏側を取材した記事がでました。
マッチポンプかな?
Superconductivity scandal: the inside story of deception in a rising star's physics lab
※追記4(20231107)
ついに、Natureからの撤回が報告されました。悲しいね。
Retraction Note: Evidence of near-ambient superconductivity in a N-doped lutetium hydride
Nature retracts controversial superconductivity paper by embattled physicist
※追記3(20230929)
共著者11人中8人がNature編集部に論文撤回を申し入れる事態となりました。
WSJとScience、NYTが相次いで記事を出しています。
実験室に保管された生データから、Natureへ提出したBG除去方法でゼロ抵抗を再現できず、比熱の測定にも問題があるとのことです。
Dias師本人は問題を否定しいるようですが、事態は急展開を見せています。
Co-Authors Seek to Retract Paper Claiming Superconductor Breakthrough
Another retraction looms for embattled physicist behind blockbuster superconductivity claims
11 Scientists Found a Room-Temperature Superconductor. Now 8 of Them Want a Retraction.

※追記2(20230613)
アメリカグループがDias研からサンプル提供を受けて、超伝導の追試に成功したと報告しました。
Evidence for Near Ambient Superconductivity in the Lu-N-H System

※追記(20230514)
 中国グループが室温超伝導を再現できずとの報告をNatureに掲載しました。
Absence of near-ambient superconductivity in LuH2±xNy

【イントロ】
真のイノベーション、室温超伝導来ましたね\(^o^)/

水素化ルテチウムに窒素を置換した化合物LuHxNy、通称”Red Matter”において1GPaの圧力で294K(約20℃)の温度で超伝導が発現することが、Nature誌に報告されました[1]。
水素化化合物の超伝導はこれまでも報告されていました[2]が、その実現には100GPa以上の圧力が必要とされていました。今回の発見は必要な圧力を100分の1以下にする画期的な発見となっています。
今回の結果が、アメリカ物理学会APSのMarch Meetingで報告されて以来、物性物理界隈を騒がせています[3]。
”事実ならば”ノーベル賞確実の成果と言えます。

そう、”事実ならば”。

今回の結果を報告したのは、2020年にCSH化合物で室温超伝導が実現することをNatureで報告し、そのデータの取扱の怪しさからNature誌から編集部権限で論文が撤回になった、あのDias博士たちのグループなのです[4]。
Dias博士達は、CSH化合物の論文を撤回した後、追加データを加えてNature誌に再投稿中[5]でしたが、今回新たに革命的な物質を報告した形です。
怪しさ満点、笑顔も満点。

そこで本記事では、今回の結果に対する研究界隈の反応をまとめてみました。
これまでの経緯は過去のブログを参考ください[6]

©板垣恵介『刃牙』より

〈参考文献〉
1,Dasenbrock-Gammon, N., Snider, E., McBride, R. et al. Evidence of near-ambient superconductivity in a N-doped lutetium hydride. Nature 615, 244–250 (2023).
2,Drozdov, A., Eremets, M., Troyan, I. et al. Conventional superconductivity at 203 kelvin at high pressures in the sulfur hydride system. Nature 525, 73–76 (2015).
4,Snider, E., Dasenbrock-Gammon, N., McBride, R. et al. RETRACTED ARTICLE: Room-temperature superconductivity in a carbonaceous sulfur hydride. Nature 586, 373–377 (2020).
5,Observation of Conventional Near Room Temperature Superconductivity in Carbonaceous Sulfur Hydride, arXiv:2302.08622

【方法】
以下の各紙及びブログの記事から、研究者のコメントを集めてみました。
翻訳はDeepLの力を借りました。
  • IEEE Spectrum
  • The New York Times
  • QuantamaGazine
  • NewScientist
  • Science
  • ScienceNews
  • ScienceAlert
  • CHEMISTRY WORLD
  • Scientific American
  • Physics Magazine
  • nanoscale views(ライス大のD.Natelson教授のブログ)

【皆さんの反応】

Room-Temperature Superconductivity Claimed High pressure required; findings clouded by previous retraction
Venkat Viswanathan(Carnegie Mellon University)
「(以前のNature論文撤回の騒動が)起こったことは残念だった」
「しかし、多くの人がそれに囚われましたがその研究自体とその後に起こったことを真剣に見れば、データはまだしっかりしていると思います。超伝導研究において非常に魅力的な結果です。」

Paul C.W. Chu(the University of Houston)
「ディアスグループのバックグラウンド減算法に特に注意を払っている。バックグラウンド除去は、この分野では珍しいことではない。しかし今回は、今回の実験結果の信号はノイズに比べて小さい。」
「バックグラウンド除去は慎重に行う必要がある」
「とてもいい実験です。それが本物であることが証明されれば、これは間違いなく重要です。」

James Walsh(the University of Massachusetts Amherst)
「高圧科学特有の困難さがある。高圧下の抵抗率と磁化率を測定可能にしたコミュニティの技術と創意工夫を誇張しすぎることはない」
「材料科学の進歩は、新しい物質の発見とともに進んできた。今回のような結果を認めるべきではないと主張するのは難しいだろう」

Eva Zurek(the State University of New York)
「ディアスグループの仕事の独立した確認は不可欠です」
「もし(今回の発見が)本当だと証明されれば、Lu-N-Hを通常の圧力・温度条件にする方法を見つけるか、非常に穏やかな圧力で使用する技術を開発することは比較的簡単だと思います」

New Room-Temperature Superconductor Offers Tantalizing Possibilities
James Hamlin(the University of Florida)
「ディアス博士たちのグループから出てくる研究結果に対する信頼をいくらか失っています」
「2007 年に書かれた自分の博士論文のいくつかの節が、ディアス博士の論文に一語一句出てきた」

Nature誌のスポークスマン
「論文が撤回されたからといって、著者が新しい原稿を提出する資格を自動的に失うわけではありません」

Timothy Strobel(Carnegie Institution for Science)
「研究結果に対して、私は慎重ですが楽観的です。論文のデータ、素晴らしいですよね」
「彼は本当に世界最高の高圧物理学者であり、ノーベル賞を受賞する準備は出来ています。もしくは…何か他のことが起こっています」
「(以前のNature撤回論文を最近再投稿したことについて)元の測定値とは大きく異なる結果を再投稿しています。彼らは自分自身で結果を再現できていないともいえます。」

Jorge Hirsch(the University of California, San Diego)
「(以前のNature撤回論文に対して)測定からはノイズを含んだ数字が得られるのであって、生データを生み出す解析式が出てくるわけではない」
「ディアス博士以外の科学者は不正行為を行っていないとおもう。彼らはBCS理論は正しいと自分自身を欺いているだけだ」
「ディアス博士達が正しければ、過去35年間の私の仕事が間違っていたことを証明することになり、私はとても幸せです。しかし、私が正しく、彼らの結果は間違っていると思います。」

Sara Miller(University of Rochester、スポークスマン)
「懸念を裏付ける証拠はないと判断された。大学は2022 年 9 月の Nature 論文の撤回の問題を検討し、同じ結論に達した」

Room-Temperature Superconductor Discovery Meets With Resistance
James Hamlin(the University of Florida)
「結果が正しければ、超伝導史上最大のブレークスルーになる可能性がある」
「撤回された論文で解決されなかった同じ問題のいくつかが新しい論文にも存在するのではないかと思わずにはいられない」
「論文で報告されている結果は、見たいと思うあらゆる種類の測定の傑作であり、見たいと思うタイプのデータが正確に生み出されています」
「他のラボが結果を忠実に再現できるようにするには、ディアスらのグループは生データセット全体を詳細なサンプル調製方法と一緒に共有するか、材料のサンプルを他のラボに送ってしてテストする必要があります。」

Siddharth Saxena(the University of Cambridge)
「結果を見るのが本当に楽しみです。そして、私は、彼らが観察しているものが何であるかを疑いようがありません」

Eva Zurek(the State University of New York)
「これらの条件下で超伝導する材料は、想像を絶する方法で私たちの生活のあらゆる側面に影響を与えるでしょう」

Jorge Hirsch(the University of California, San Diego)
「額面どおりに捉えれば、ここには超伝導の証拠がたくさんあります。しかし、私はこれらの著者の言うことを何も信じていません。」
「(撤回されたNature論文について)van der Marelとともに、生データが実験室で測定されていないことを基本的に数学的に証明しました。捏造です」

Nilesh Salke(the University of Illinois、CSH論文の再投稿に協力)
「再投稿された新しい研究は、CSH化合物の超伝導性を確認しています。」
「新しいルテチウム物質の発見は驚くべきものであり、超伝導の分野における重要なマイルストーンです」
「Nature の編集者とレビュアーは、出版の青信号を出す前に論文の結果をよく吟味したにちがいないと確信しています」

Mikhail Eremets(the Max Planck Institute for Chemistry)
「2度目の論文撤回は考えにくい。これまでの経緯があるとはいえ、結果を真剣に考えるべきです。」

van der Marel(the University of Geneva)
「何を信じればいいのかわからない…それがすべての問題です。」

QuantamaGazine編集部
「スリランカ科学振興協会が主催し、後にYouTubeに投稿された2021年の講演で、ディアスはOpenAIのCEOであるSam Altmanや、Spotifyの共同創業者兼CEOであるDaniel Ekの名前を上げ、2000万ドルを調達したと述べた。しかし、この記事の公開後、ディアスの担当者はQuantaに対し、それらは「願望的な発言」であり、同社は資金を調達しておらず、リストアップされた名前は見込みのある投資家であると述べています。」

'Red matter' superconductor could transform electronics – if it works
James Hamlin(the University of Florida)
「おそらく、彼らはこの研究で絶対に画期的でノーベル賞に値する何かを発見したのでしょうが、私はそれに対していくつかの留保があります」

‘Revolutionary’ blue crystal resurrects hope of room temperature superconductivity
James Hamlin(the University of Florida)
「人々が彼らの結果を信じるためには、本当にデータに対してオープンである必要があると思います。」
「もしそれが正しければ、この論文はあらゆる異なる技術を駆使した力作です」
「ディアス博士らのグループがサンプルと生データを共有しない限り、学生に研究の再現を任せることはありません」

Jorge Hirsch(the University of California, San Diego)
「私はこれらの著者の言うことを何も信じていません。」

Russell Hemley(the University of Illinois)
「最近の再投稿された論文で"CSH超伝導 "に関する疑問が解消されるはずです。」
「LNH超伝導体では、追試が容易になりました。新しいゲームが始まったのです」

Alexander Goncharov(the Carnegie Institution for Science)
「信憑性がありそうだ」

Lilia Boeri(Sapienza University of Rome)
「この物質は、私が水素化物に期待するすべてのことと矛盾している」
「まったく非科学的な振る舞いだ」

Mikhail Eremets(the Max Planck Institute for Chemistry)
「他のグループが再現できるように、ディアス博士達はできる限りのことをするべきだ。もし彼らがそうしないなら…それは大惨事となるでしょう」
「再現実験には取り組むつもりだ。本当に低圧で合成、実験できるなら多くのグループで追試が容易になるだろう」

Is this the superconductor of scientists’ dreams? A new claim faces scrutiny
Mikhail Eremets(the Max Planck Institute for Chemistry)
「(撤回されたNature論文について)妥当性の主要なテストである再現性の確認に失敗しました。私の観点からは、それが最も重要なことです。」

Eugene Gregoryanz(the University of Edinburgh)
「もしそれが本当なら、それは素晴らしい発見です。それが本当かどうかは、時が経てばわかるでしょう」

Russell Hemley(the University of Illinois)
「これは素晴らしい研究です。提示されたデータは、超伝導の証拠という点で非常に強力です。」

Lilia Boeri(Sapienza University of Rome)
「私には、理論的にとても奇妙に見えます。まったく予想外のことで…それが本当なら、他の水素化物とは大きく異なることになります」

Physicists Claim Creation of a Superconductor at Near-Ambient Conditions
ChangQing Jin and David Ceperley(Chinese Academy of Sciences, University of Illinois Urbana-Champaign)(Natureの解説記事からの引用)
「同様の超伝導化合物と比較して、ディアス博士達のサンプルに存在する水素が比較的少ないことを示唆している」
「この物質が高温超伝導体であることを確認し、この状態が格子振動によるクーパー対によるものなのか、それともまだ解明されていないメカニズムによるものなのかを理解するためには、さらなる研究が必要である。」

Record room-temperature superconductor could boost quantum computer chips
Mikhail Eremets(the Max Planck Institute for Chemistry)
「簡単そうに見える調製条件に勇気づけられたが、論文にある合成に関する「非常に複雑」な「憂慮すべき」注釈に懸念を抱いている。今回、著者とジャーナルが、サンプルと結果をスムーズに再現するために必要なすべての情報とサポートを提供することを望みますし、その行いが重要だと思います」

Eva Zurek(the State University of New York)
「もし今回の結果が正しければ、この仕事は非常にエキサイティングで、常圧・常温超伝導という聖杯への道を開くことになるでしょう。しかし、この実験は再現性を検証する必要があります。さらに、超伝導物質の構造など、まだ答えの出ていない多くの疑問があります」

Controversy Surrounds Blockbuster Superconductivity Claim
Eva Zurek(the State University of New York)
「これが正しいことが判明した場合、これは本当のゲームチェンジャーになる可能性があります.」

David Ceperley(University of Illinois at Urbana-Champaign)
「新しい材料は以前の材料よりもはるかに大気圧に近い圧力で超伝導になる」
「以前のものは 100 万気圧でしか安定していなかったため、ダイヤモンドアンビルセルから実際に取り出すことはできませんでした。1気圧で安定しているということは、製造しやすいということでもあります」

van der Marel(the University of Geneva)
「2つのアプローチが考えられます。一つは、過去を無視して、この論文を見て、それが何であるかをただ確認することです。そうすると、これは素晴らしい論文です。ディアス博士たちが超伝導のテストを複数回行ったことで、並外れた豊富なデータが得られています。しかし、彼らの過去の研究を分析した経験も踏まえると、これらのデータを自動的に信用することはできません」

James Hamlin(the University of Florida)
「彼らは、科学的な議論のように見えるものを発表することで、水を濁しているようなものです。しかし、実際に彼らの反論を検証してみると...、全く説得力がない。そして、他の研究者が提起した懸念に対処していません」

Simon A. J. Kimber(a former researcher)
「(新たに疑念を持たれているPRL論文について)私は長い間このゲームに携わってきましたが、なぜこれらのデータセットがそのようにオーバーラップするのかについて、合理的な説明を 1 つも思いつきませんでした」
「私は共著者たちとPRLの編集者に、『これは撤回すべきだと思います』と返信しました」
「新しい論文を信頼していないため、結果を再現するために時間とリソースを割くことはありません」

Jessica Thomas(executive editor, PRL)
「(新たに疑念を持たれているPRL論文について)私たちは、データ捏造の疑惑を非常に深刻に受け止めています。同時に、専門家の評判も危ういので、私たちは思慮深く正確に情報を集めなければなりません」

Michael Norman(the condensed matter theory group at Argonne National Laboratory)
「過去の論争と同様に、この論文でなされた大きな主張は、証明の基準を引き上げました」
「銅酸化物超伝導の発見の際は、最初の 6 か月間、人々は論文にあまり注意を払っていませんでした。しかし、その結果が日本のグループによって再現されたとき、誰もがこの分野に飛び込んでいきました」
「別のグループが超伝導を再現するのを見るまで、人々は用心深く楽観的になると確信しています」

Allegations of Scientific Misconduct Mount as Physicist Makes His Biggest Claim Yet
Mikhail Eremets(the Max Planck Institute for Chemistry)
「CSH室温超伝導が見つかった時、ディアスに電話しておめでとうといったんだ」
「6ヶ月、再現に挑戦して、諦めたんだ。」
「それでも、あまりにも深刻なので信じたくありません。この分野の研究者が、再現不可能な CSH の結果を単に忘れて先に進むことを望んでいます」

James Hamlin(the University of Florida)
「(ハーシュがCSH超伝導とEu超伝導の類似性を指摘したことについて)データは表面的には似ているが……重複しているわけではなかった」
「『よし、このデータに何も問題がないことをホルヘ(ハーシュ)に証明しよう』と考えて、データを解析しました。そうしたら・・・次から次へと問題が発生したんだ」
「ディアス達が生データを提供しない言い訳はばかげていると思いました。 要求しているのは単なる電圧対温度のデータです」
「コミュニティがさらなる主張を受け入れる前に対処する必要があるこれらのさまざまな懸念があると思います」

Alexander Goncharov(the Carnegie Institution for Science)
「CSH の合成方法に関する論文の説明は、不足しているが、それでも十分だと思われました(しかし、再現は出来ませんでした)」

Russell Hemley(the University of Illinois)
「これはトリッキーな合成手順であり、うまくいかないことが多い。初期圧力を適切に設定し、適切なレーザー出力を使用する必要があるんだ」
「エレメッツとゴンチャロフが成功していないという事実は、技術的にトリッキーであることを除いて、私にはあまりよくわかってない」

Lilia Boeri(Sapienza University of Rome)
「室温超伝導CSHは理論的には存在するはずのないものです」

Simon A. J. Kimber(a former researcher)
「(MnS2のPRL論文について)類似性を説明する化学や物理学の一部を思いつくことができませんでした。」
→本日、PRL はこの論文の調査を開始しました

van der Marel(the University of Geneva)
「Natureのやり口も理解できません。なぜ彼らは今回の論文の出版を許したのですか?」

匿名投稿者
「もう一度質問しますが、誰がこの論文をレビューしていて…彼らは何か吸っていますか?」

PUBPEERにも議論があり。


【まとめ】
うーん。。。あやしい!
しかし事実ならば本当に世界を変えるイノベーション!
今後の追試の結果を見守りたいですね。

【続報】
Superconductivity above 70 K experimentally discovered in lutetium polyhydride
室温超伝導がでたルテチウム水素化物の中国グループによる追試。
窒素入ってなくて、180GPa必要だけどTc=70K(゚∀゚)キタコレ!!
これは窒素いれたら室温クルで!(?)
著者がNature解説記事を書いたChangqing Jin先生たちだから、論文出る前に追試をスタートして、ひとまとめしてArxivに出してきた感じあるな。


True superconductivity at near ambient temperature has not been confirmed by Dasenbrock-Gammon, et. al. Nature (2023)
室温超伝導論文へのコメントだ
・ゼロ抵抗
 →検出限界以下になっただけやろ。リング作って永久電流調べてや。
・マイスナー効果
 →SQUIDで直流磁化率を測ってや。
どっちも言いたいことはわかるが難易度が高すぎる。
前者基準だと、超伝導と言えない既存の物質でてきそう。

Pressure-induced color change in the lutetium dihydride LuH2
室温超伝導になった水素化ルテチウム(但し窒素なし)、確かに圧力で赤くなる
→うおおおお!!!
でも超伝導にならなんだ
→うおおおお...
でも、これはレッドマター(確信)
抵抗も290ケルビン位でなんか曲がってるし、バックグラウンド除去(謎操作)すれば超伝導になるんじゃね?(?)

On parent structures of near-ambient nitrogen-doped lutetium hydride superconductor
「母結晶構造は CaF2 タイプの主要な LuH2 相 (最初に提案された Fm3¯m 空間群の LuH3 構造ではなく) と NaCl タイプのマイナーな LuH 相の混合物であることを明確に明らかにしました」
室温超伝導体、水素化ルテチウムの結晶構造の理論的研究。色的にも確かに赤になるらしい。

Absence of near-ambient superconductivity in LuH2±xNy
中国グループが水素化ルテチウムの室温超伝導を追試!
・EDXで窒素が含まれること確認!
 →やったぜ
・でも、ゼロ抵抗確認できず!
 →あかんか
・圧力による赤色変化も見えず!
 →なんでや
※3/17に更新あり。
窒素の入ってないLuH2で試してみたら、圧力で赤色に変化確認、やったぜ!(なおNo超伝導)



Electronic and magnetic properties of Lu and LuH2
室温超伝導にむけて、LuとLuH2の基礎的物性を測る。中国の渋くて基本的な仕事だ。

First-principles study on the superconductivity of N-doped fcc-LuH3
窒素入り室温超伝導の第一原理計算、計算上は室温超伝導にならないはずだってばよ。
理論が悪いよ理論が

Pressure tuning of optical reflectivity in LuH2
室温超伝導、水素化ルテチウム、圧力で色が変わるメカニズムを解明!
(なお超伝導)


Structure, Stability and Superconductivity of N-doped Lutetium Hydrides at kbar Pressures
水素化ルテチウム、理論的に安定な構造で室温超伝導にはならなさそう。気合いが足りない。

Effect of nitrogen doping and pressure on the stability of cubic LuH3
水素化ルテチウムの室温超伝導、窒素を入れると構造が安定することを示したよ!
(なお、電子格子相互作用を計算すると室温超伝導にはならなさそう)

Observation of non-superconducting phase changes in LuH2±xNy
室温超伝導、水素化ルテチウム、高純度サンプルで青と赤の間に紫相を発見
!超伝導みえず!電気抵抗に変化あるからこれ超伝導と間違えたんじゃね?説。

も〜高純度とかだめ!natureと同じ純度(未知)でやって!

Percolation-induced resistivity drop in cold-pressed LuH2
「絶縁表面を介した金属粒子のパーコレーションは、抵抗率の急激な低下を説明できます」
室温超伝導、水素化ルテチウムの抵抗の低下、パーコレーションで説明できる説。超伝導なんかいらんかったんや!

Enormous variation in homogeneity of room temperature superconductor samples: a Comment on Nature 615, 244 (2023)
本家本元、ハーシュ先生の水素化ルテチウムの室温超伝導批判キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
転移の幅がサンプル間で桁で違うのはナンデヤネンわろた

No evidence of superconductivity in the compressed sample prepared from the lutetium foil and H2/N2 gas mixture
室温超伝導、水素化ルテチウム、再現できず。色も変わらず。
残念!
また来週に期待!
「これらのことから、Nature論文で報告されたものと同じ方法で作製した試料やレーザー加熱法で合成した試料は、Nature論文に記載された近環境温度・圧力領域では超伝導を示さないことが示唆されます。」
うそだよな・・・D・・・

Trigonal to cubic structural transition in possibly N-doped LuH3 measured by Raman and X-ray diffraction
室温超伝導、水素化ルテチウム、高圧下で結晶構造変わることを確認、了解

Search for ambient superconductivity in the Lu-N-H system
「広範なコミュニティの取り組みに加わり、Lu-N-Hで報告されたTcを従来のメカニズムで説明できないことを合理的な疑いを超えて確認」
室温超伝導、従来理論では説明できない了解。新理論のチャンス!


Transformation of hexagonal Lu to cubic LuH2+x single-crystalline films
これもう室温超伝導だろ(違う)

Leading components and pressure-induced color changes in lutetium-nitrogen-hydrogen system
「LuH2 への窒素ドーピングも超伝導性を高めることができません。」
嘘だろ工藤。。。

Pressure-induced color change arising from transformation between intra- and inter-band transitions in LuH2±xNy
室温超伝導、水素化ルテチウムの圧力色変化メカニズムの解明着実に進んでるな。

超伝導はどうした?????

Absence of near-ambient superconductivity in LuH2±xNy
窒素ドープ水素化ルテチウム室温超伝導、中国グループの追試で再現できず、Natureに報告。
さらなるDiasたちの反論が待たれるね。
すごいのが、Dias達の報告の1週間後にはNatureに投稿している点。どんな実験スピードやねん。

Novel Electronic Structure of Nitrogen-Doped Lutetium Hydrides
窒素ドープ水素化ルテチウムの電子構造の計算。超伝導まったなし!

Robust magnetism against pressure in non-superconducting samples prepared from lutetium foil and H2/N2 gas mixture
「窒素ドープ水素化ルテチウムは低温で強固な磁性相が存在し、この物理系は超伝導ではないが、興味深い物理を保持している可能性が示唆」
夢がある

Evidence for Near Ambient Superconductivity in the Lu-N-H System
「窒素ドープ水素化ルテチウムのほぼ常圧室温超伝導、再現できまーーーーす」論文

ふぁーwwww




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