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全世界 ポスドク年俸 How much?

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【イントロ】  最近の好景気を反映して、今年は各企業でベア(ベースアップ)の動きが見られました[1]。人間生きていくにはお金が必要ですから、お給料があがるのはありがたいことです。願わくばベア3000円とかではなく、ベア5000兆円位欲しいものですが。  一般的な労働者が入社後最初にもらえる初任給は20万程度、多いところだと30万円といったところで、ボーナスを考えないと年収にして240~360万円といったところです[2]。  それでは、「末は博士か、大臣か」と尊敬される博士が、博士号取得後最初に就くことが多い、ポスドク(Postdoctral Fellow)の年収はどのくらいなのでしょう?総理大臣の年収は3000万円程度とのことなので、ポスドクの年収も期待が高まります+ (0゚・∀・) + 【方法】  国内、及び海外のポスドク研究員の募集サイトを一つ一つ手動で確認し、年俸を調べました。調査対象は物理系ポスドクが主な対象です。趣味です。 為替は4/21時点のものを採用し、円換算しました。また、物価の差を反映するためビックマック指数[3]で年俸を割り算することで、実効的年俸も算出しました。 対象とした国は、日本、アメリカ、中国、ドイツ、スイス、イギリス、ブラジル、オーストラリア、インドです。 図1に調べた国を赤い星で示します。大体全世界カバーしてる感じです。 図1、今回調べた国の位置 【結果】  図2に各国のポスドク年俸を示します。 図2、全世界のポスドク年俸  年俸が高いところから低いところまで、いろいろあることがわかります。海外だと、アメリカ・ロスアラモス国立研究所[4]やスイス・ETH Zurich[5]の年俸が1000万円前後で高年俸です。すごい。  中国は物価の差もあって200万円程度のポスドクがある一方で、Kavli財団が出資しているKIAA[6]などでは、先進国クラスの年俸800万円が提供されています。優秀な人材を集めようという意思を感じますね。  日本だとJAXA[7]のポスドクが1000万円に迫り高い数値を示しています。また、IPMU[8]のポスドクも高給です。宇宙や素粒子といったロマン派は高給ですね。 日本のポスドクで一般的な学振PD[9]は400万円程度で、おおよそ今回調べた範囲のポスドクの中で平

4月の気になった物理系記事

4月の気になった物理系記事です。 界面を通したパラマグノン注入でd波超伝導を制御する https://journals.aps.org/prl/accepted/ee076Y04X1a1c55528df0fe0dce55cbc5a582edf7 コメント:重い電子系人工超格子を工夫して、CeCoIn5にパラマグノンを注入することで、d波超伝導を制御した研究。能動的に強相関電子系を制御しようとする試みが面白いですね。 PrOs4Sb12の時間反転対称性の破れた超伝導 https://journals.aps.org/prl/accepted/cf072Y93Jb31a758c15541242dda9fc9390c64cdb コメント:超伝導転移温度以下でカー効果測定することで、PrOs4Sb12で時間反転対称性が破れていることを明らかにした研究。カー効果有能ですね、実験大変そうですけど。 光で単層FeSe/STOのQSH-QAH転移を制御する https://journals.aps.org/prl/accepted/9707bY16Z241416bc03f86645694c41b6940df123 コメント:単層FeSe/STOにレーザーを照射することでバンド反転とQSH-QAH転移を起こそうという研究。磁性原子ドープ無しでマヨラナ粒子探索できるかもって提案だけど、そもそも単層FeSe/STOでQSHが観測されてたことに驚きました(無知 112タイプ鉄系超伝導体の中性子共鳴ピーク https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.120.137001 コメント:112タイプの鉄系超伝導体(Ca,La)(Fe,Ni)As2系の中性子散乱実験から共鳴ピークを観測した研究。112系はs??波超伝導なんだろ?。結晶構造違うし、他の系とのユニバーサルな関係がどこまであるのか含めて気になります><。ネマテシティとかどうなってんの>< YBCOの圧力下ホール効果測定で見るCDW https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.120.117002 コメント:圧力下ホール抵抗の測定からYBCOのホール濃度0.12付近のTcの落ち込み

春な人たちの論文

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【イントロ】  4月になりました。卒業式も終わり入学式の時期になると、ピンク一色に満開だった桜にも緑の葉がまざりはじめ、季節の移り変わりを感じます。 ただ、季節が変わっても「働きたくない!」という強い思いは変わりません。人生には変わらないものも確かにあるのだなぁ。  そんな、変わるものと変わらないものが交差する春ですが、英語でいうと「Spring」です。そこで本記事では”Springer Theses”[1]の受賞者について調べてみました。 【方法】  そもそもSpringer Thesesとはなんぞやという問題ですが、 「 Springer Thesesは、博士課程の研究において顕著な業績をあげている大学院を世界から選出し、その大学院で極めて優秀と評価された学位取得者の博士論文を書籍(電子版+上製本)の形で出版することを通して、その業績を顕彰し、世界に広め、これから研究者の道に進む皆さんのキャリアをサポートするプロジェクトです 」 とのことです[2]。なんかすごそう。。。 噂によると、受賞すると賞金5万円と上製本3冊もらえるらしいです。すごい。 でも、100ページ近くに渡る英文校正費用で全部消えるらしいです。かなしい。 一体どんなすごい人が受賞しているのか気になったので、年別と大学別に受賞者を調べてみました。世界中の大学から選ばれているのですが、今回は著者が日本人ぽい名前の方を選んで抽出してみました。 【結果】  以下に2010-2018年に既に出版されている方々のお名前と論文名を示します。 図1、2018の受賞者 図2、2017の受賞者 図3、2016の受賞者 図4、2015の受賞者 図5、2014の受賞者 図6、2013の受賞者 図7、2012-2011の受賞者 次に、年別と大学別に受賞者の数を調べたのが下の図です。 図8、年別受賞者数 図9、大学別受賞者数  たくさんいらっしゃいますね。全部で75名の受賞者がいらっしゃいました。HPによるとこれまでに全世界に940名くらいの受賞者の方がいらっしゃるみたいです。なので8%くらいが日本からの受賞者のようです。  年別で見ると、賞が設立された2010~2012は人数が少ないですがそ