2020年の気になった論文トップ10(部品調べ)
今年も色々ありましたね。 色々有りすぎて、脳みそが沸騰してしまいました。 そんな2020年も終わりを迎えました。 そこでこの1年間で気になった論文10選+αを選んでみました。 今年 Cond-mat に出た論文は、20447本。そのうち、ぶログにメモした論文は1628本でした。そこから10本選ぶ不毛な作業。累計12時間くらいかけましたね。 いろんな研究が今年も生まれました。おれも人生を生み出していきたい。 【気になった論文トップ10】 10位、位相を蓄積できるジョセフソン量子位相電池の提案 A Josephson quantum phase battery https://arxiv.org/abs/2001.03393 Nature Nanotechnology volume 15, pages656–660(2020) 電池は化学反応を電気に変える特性をもち、使いたい場所で電気エネルギーが使える身近な道具であり、リチウムイオン電池や全固体電池電池など、最先端の技術的話題の一つです。 電気の流れ、つまり電流を流すには電位差が必要なため電池が重要ですが、そうなると、「超伝導電流を流すために必要な量子力学的位相は蓄積できるのか?」という、子どものときの夢を叶えたくなりませんか? そんな「量子位相電池」ともいえるデバイスを実現したのがこの論文です。 不対スピン表面状態をもつn-doped InAsと超伝導Alリードからなるデバイスで、反転対称性と時間反転対称性を同時に破る構造を実現することで定常的な位相差を生み出すことに成功したことを報告しています。 おれも万一に備えて、量子位相の蓄積を始めるか~ 位相差バッテリーで動かす電気自動車でエコをやりたいっすね。 9位、伯方のトポ Fractional Corner Charge of Sodium Chloride https://arxiv.org/abs/2009.04845 境界にギャップレス状態が出現することで近年話題のトポロジカル絶縁体ですが、最近ではさらに縁や角に状態が現れる高次トポロジカル絶縁体が盛り上がっています。 一方で、縁や角に電荷を持った状態が現れるメカニズムとして、バルクの電気分極に由来する多極子絶縁体と呼ばれる機構が存在します。縁や角に分数化した電荷を持つ多極子絶縁体は、コレまでメタマ