フラットバンド!異常金属!近藤効果!
【イントロ】 本記事は、以下レビュー論文の読書メモです。 Checkelsky, J.G., Bernevig, B.A., Coleman, P. et al. Flat bands, strange metals and the Kondo effect. Nat Rev Mater 9, 509–526 (2024). https://doi.org/10.1038/s41578-023-00644-z 特にネタもオチもありません>< フラットバンド、異常金属、近藤効果のつながりのイメージ図 【メモ】 Introduction 近年、トポロジーと電子相関が注目を集めている 重い電子系、鉄系超伝導、フラストレーション格子系にまたがる統一原理が求められている その1つが、トポロジカルフラットバンドの概念である 以下のような物質がその研究対象になっている カゴメフラットバンド系 CoSn 分数チャーン絶縁体 マジックアングルグラフェン(MATBG)や捻り積層TMD 重いディラックフェルミオンと近藤絶縁体 SmB6 近藤効果誘起ワイルノード物質 Ce3Bi4Pd3 これらの系では局在電子と非局在電子の相互作用が重要となっている つまり、近藤効果に基づく物理が、トポロジカル物性の新たな統一原理となる可能性がある Materials Platforms 強い電子相関を生み出す典型的相互作用は、d電子系やf電子系の局在電子を介したもの 最近は、以下方法で運動エネルギーをクエンチすることでフラットバンドを生み出すことでも実現されている フラストレーション格子系での破壊的量子干渉効果 モアレ系におけるユニットセルの増加 クーロン相互作用Uとバンド幅Wとバンドトポロジーが、新しいフラストレーション物理のフロンティアとなっている Flat band systems フラットバンドを実現する系はいくつかある 磁場中でのランダウ準位 リーブ格子、カゴメ格子、パイロクロア格子系などのフラストレーション格子系 モアレ系 フォノン系、マグノン系、メタマテリアル、冷却原子系などの非電子系 f-based compounds 希土類系(Ce~Ybを含む物質系)は局在した4f電子系を含む これらの原子系は、完全なフラットバンドを形成する これらの電子系は以下2つの相互作用が競合